コンテナ市況レポート 2011年7月

7月11日(月)に例年より2週間ほど早く全国で梅雨が明け、連日各地で気温35度Cの猛暑日を記録している。関東と東北地方に7月1日から電力使用制限令の適用が実施された。大口需要家は昨年夏の最大電力のから15%の節電を課されることになった。これが関東では、平日午前9時から午後8時の間9月22日まで続く。民間企業は、国に対して節電にきわめて協力的である。裏を返せば国の無策に対して自衛策を取らざるを得ないのが本音であろうか。この国の基幹産業である自動車業界は電力が比較的余っている土日に工場を稼働し、休みを木金に変更した。他の産業界でも独自の節電対策を取っている。その努力には脱帽するばかりである。

また、電力不足は全国的なものに発展している。何故なら全国の54基の原子力発電設備(原発)のうち、35基が運転を停止している。それは定期検査後の安全性確認が取れず再稼働目途が立たないためである。来年春には原発が全て停止する可能性もある。原発は日本の総電力の30%を賄っている。一方で、各企業が持っている自家発電能力(埋蔵電力)は6,000万キロワットあると言われている。これは日本の原子力発電所54基分に匹敵する。この非常事態にこれを利用しない手は無い。但し、既存の電力会社の送電設備を自由に利用できない。この規制を政治力で使用できるように出来ないのか? 日本の課題は、公共性の高い既得権益組織を我々国民利益になる開かれた組織に変えて行く必要がある。そうすることで危機をチャンスに変えることができるはずである。

7月13日(水)の朝、円相場は1ドル=78円48銭を付けた。これは東日本大震災後、3月17日、76円25銭を付けて以来の高値である。これを危機と見るかチャンスと見るかで物事は大きく変わる。この円高は震災4カ月にして目覚ましい復興を遂げている日本に対しての世界の大いなる期待の表明であると考えたらいいのではないか。世界が日本にもっと海外に出て来てほしいと熱望しているのである。日本円の海外での購買力が大きくなる。生産の海外移転の好機である。国内の雇用はその分減るが、内向きではこの円高は解決できない。日本人よ!もっと海外に目を向けよう!日本人の他人に対する思いやり、気づかいは日本人が思っている以上に外国人に好感を持たれている。その優しい気持ちは日本人の宝である。その宝があれば言葉の難問も半減する。日本人よ!もっと海外に出よう。言葉は習うより慣れる!を提案したい。とにかく日本人の場合は海外に出て、行動を興してから考えてもいいのではないか?若い人達に海外に目を向けて、海外で活躍してほしい。外地で職を見つけることに躊躇するな!

中国コンテナメーカーの工場在庫は5月末の100万TEUから6月末、54万TEU, 46%まで減った。この減った大部分は船会社が自社発注分を引き取ったものと考えられる。船会社によるリース会社の長期リースコンテナ引き取りは遅く、昨年12月に決めた長期リースの大部分が引き取られずにまだ工場在庫として残っている。そのため大部分のリース会社が新造コンテナの発注を控えている。その結果20fで$2,650まで下がってきている。コンテナメーカーは生産ラインのスペースを埋めるのが難しいと考えたのか、コンテナ大手メーカーが生産ラインを埋めるために破格の価格で大量受注を確保したようである。あるメーカーは生産調整に入るものと思われる。今年の夏場過ぎの新造コンテナ価格どうなるのか興味は尽きない。

この小生のコンテナ市況レポートの読者の中でどのくらいの人がCOAと言う組織を御存じであろうか?COAはContainer Owners Associationの略である。コンテナの所有者の共通の利益を代表する組織として2004年11月に英国ロンドン設立された。 メンバーは世界の船会社がメインでコンテナメーカー、コンテナリース会社、コンテナの部品、材料提供会社等々メンバーの顔触れはコンテナに関わるあらゆる会社が参加している。また、それであるが故にこの組織の意義があるのかもしれない。

第8回COA Member Meetingが6月20日から21日まで上海で開かれた。FBC社の社長の南氏もHybrid Open Top, Sliding Doorを紹介する話し手の一人であった。小生もFBC社(Future Box Corporation)のメンバーの一人として19日夜のReceptionから参加させてもらった。こうした国際会議に参加する事は初めてで大変興味深いものがあった。20日の会議は8時30分に受付開始、受付デスクの上の参加者の名札をもらい好きな席に陣取り、皆さん熱心に聞かれていた。参加者の総数は187名で過去最多人数の参加者とのことである。三回続けて上海での開催であるとのことだが、今の中国の勢いを見るとこれも納得がいく。今年で8年目を迎えるCOAは毎年会員が増え組織自体大きくなって来ているとのこと。若い人を中心に、女性の数もかなり目立った。9時15分開始、1時間15分の昼食をはさみ、選りすぐられた各分野のスピーカーがいまかいまかと自分の順番を待っている。その内容は現役バリバリの担当者がまさにタイムリーな話題を提供してくれる。スピーカーとタイトルを一部紹介してみたい。

1)Widening the Panama Canal: Impact on Container Shipping
Presented by Mr. Oscar Bazan, Marketing Manager, Panama Canal Authority
2)Container Shipping, Ports and Intermodal by development of mega-ship and mega-port.
Presented by Mr. James Huang, Director, Transport & Logistics Equipment Bureau Veritas.
3) Container and intermodal developments on the Yangtze Corridor
Presented by Mr. Federic Campagnac, Transport Consultant, Clevy China.
4) Container manufacturing; current status, future challenges

Presented by Ms. Angela Wang, Vice President of Dong Fang International Container

話し手、出席者は真剣かつ熱心で、何回かの休憩時間は交流を深める場となる。
何回か出ている人達にとつてはお互い顔なじみのためあらゆる面で話が通じ、問題提起、議論、解決へといろいろな意味でメリットがあると確信する。

唯一つ残念なことは日本の会社(合弁会社を除き)でCOAのメンバーになっている会社は無い。ましてや日本人で参加している人は小生を除いて一人もいなかったのが現実である。COAが提唱する荷物を運ぶコンテナを通して現状の問題、課題を一緒になって考え解決していく姿勢は高く評価されて良いのではないか?その現場、その会議に日本の会社、日本人が一人も出ていないと言うのは残念である。 グローバル化と言われて久しいが、その言葉が既に形骸化し、現状は内向きになってはいないだろうか?日本人はもっと謙虚にアジアの国の人達と交流し、彼らの意見を聞き、日本人の本分を理解し世界の期待に応えていければまだまだ飛躍できる可能は大いにあると確信する。また、COA側にもっと積極的に日本の会社に参加を呼び掛けてほしい。広く多くの参加者の支持を得ることにより、COA自体もっと価値のある国際組織になると確信する。

(参考)Container Owners Association Web site
http://www.containerownersassociation.org/

株式会社EFインターナショナル
中尾 治美


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