コンテナ市況レポート 2011年11月

11月9日に来日したContainer Owners Association (COA)のSecretariat GeneralのPatrick Hicks氏の滞在中(9日から12日)、日本を代表する日刊海事新聞紙(シッピング・ガイド、日本海事新聞、日刊プレス、日刊カーゴ)との9日の記者会見と日本の主要船会社2社(MOL, K Line)それに日本通運、日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会(FIFF)の表敬訪問をセットアップさせていただいた。

彼が来日する前、事前に関係者の方のアポイントを取るために、1~2度お会いし、電話、e-mailで日程の最終調整をさせていただいた。なんとか関係者の方々に時間を作って頂いた事は、初めて来日したHicks氏にとって日本という国を理解していただくために良かったと考えている。ここで改めて、Press Conferenceに馳せ参じてくれた新聞社の方々とお忙しい中Hicks氏とお会い頂いた関係者の皆様に心より感謝の意を表したい。

小生の説明だけでは、なかなかCOAに対する理解は得られなかったようであったが、Hicks氏と直接対面し、本人からCOAの設立、今日の発展、少なくとも船会社で共有しなければならない問題を直に聞いて頂きCOAに対する理解度は上がったのではと考える。

COAとは何なのか?2004年に設立され、本部は英国ロンドンの南西の都市、Surbitonにある。簡単に言えば全世界のコンテナの所有者の集まりである。その趣旨は、提起される問題認識の共有化、それを解決するための適切なルール作りで問題解決を図り、より良い未来を築いていこうと言うものである。

正会員(54社)は船会社(Maersk Line, CMA CGM, Mediterranean Shipping, China Shipping, Evergreen, Hanjin, Hyundai等)とリース会社(GE SeaCo, Triton, Florens, CAI等)と準会員(105社)のコンテナメーカー、部品、材料メーカーとパートナー会員(2社)の現在合計161社より構成されている。年2回の会議を欧州、アジアそれぞれ持ち回りで開催している。

COAの活動はコンテナ床材の材質、塗装のエコロジーの問題から、カーゴ事故をデータ―ベース化し参加者で共有するプロジェクト(CINS)に広がつている。

1960年台後半からの世界のコンテナリゼーションの発展は日本が中心であったし、現在のコンテナリゼーションの繁栄の礎を築いたのは日本で有ると確信する。その歴史を踏まえた時に、日本の船会社の名前がCOAのメンバーに無い事は残念でならない。

日本の船会社が利益の出ない定期船に興味を失ったのか?はたまた唯我独尊の道を進んでいるのか? それとも内向きになっているのか? いずれにしても日本の船会社の現状に危機感を覚えるのは小生だけであろうか?日本の船会社の豊富な経験、優秀な人材、世界で活躍する日本企業、豊富な資金を有す日本の金融機関。強い円をチャンスとして捉えることは出来ないものか?海外に事務所を移管するだけでなく、世界をリードしていく立場を堅持できないのか?

小生が、今年6月に上海で開かれた第8回COA会議に出席した時、100名以上の参加者のほとんどが30~40代の人が中心で、そのうち2割ぐらいが女性であったと思う。その熱い雰囲気は今でも覚えている。 小生は其の時何か違和感を覚えた。それは日本人の参加者がいないかったこと(小生のコンテナ市況レポート2011年7月を参照)。世界第3位のGDPを誇る日本に関わり無く世界が動いているこの事実は少なからずショックであった。日本は、世界に大いに貢献できるのにその役目を放棄している。世界が日本に期待しているにも拘わらず、日本はそれに応えようとしていないように見える。情報の発信者となるべきである。海外と積極的に関わっていくべきである。日本を精神的鎖国状態に置かないためにも、今回のCOAのHicks氏の日本訪問は意義があり、日本の船会社のCOA参加にHicks氏は手応えを感じたと考える。COAへの参加は日本の船会社にとっても得るものは大きいと考える。小生はハンブルグで11月28日に開かれるCOA会議及び11月29日から12月2日まで開かれるIntermodal 2011に出席する予定でいる。

船会社無くして世界の経済成長無し。自信をもって正当な利益を追求、確保をすべきである。どうして不毛の運賃競争に陥るのか?本来の使命を忘れるべきではない。

中国の工場在庫は30万teuを切っていると言われている。コンテナの値段は大手のリース会社に対する売値で、$2,250 per 20fが出ているとのこと。船会社にとってはこの値段は、一時の$3,000 per 20fに比べたらかなり魅力的な値段に違いない。しかし、残念ながら、運賃低下と世界的な経済不安の中で、経費節減のため直ぐに自社コンテナ購入とは行かないようである。

今後、船会社はコンテナが高い時に仕込んだ長期リースコンテナを現在の安くなったコンテナへと入れ替える代替需要をリース会社にもたらすことになるであろう。但しその量はそれほど多く無いためリース会社は、今後船会社からの長期リース切れのコンテナの返却を有る程度覚悟しなければならないであろう。

船会社も余剰のコンテナを抱えており、古い自社コンテナを売却して、その売却料金で賄える範囲で自社コンテナを調達し、自社コンテナの若返りを図る。そうなると中古市場に大量の古いコンテナが出て来て中古市場が混乱するように考えるかもしれないが、過去10年の右肩上がりの新造コンテナ需要が、それぞれの輸出国において、中古コンテナの国内需要だけでなく、SOCとしての輸出に使用される底堅い需要ができ上っているようである。

その上、日本では、横須賀市、川崎市に見られるように下水道処理汚泥の放射性物質を含む焼却灰の一時保管用として20fコンテナが利用されるケースが増えて行くのではないかと考える。規格製品のため、取扱がしやすく、3段4段積みが可能で、保管場所を取らない。大量に安全に危険物の仮置き場所として便利である。固定された倉庫と違い役目が終われば移動も簡単である。この点からも、いろいろな目的で国内での中古コンテナの再利用が高まるものと確信する。

■Container Owners Association(COA)
http://www.containerownersassociation.org/

■Intermodal Europe, Messe Hamburg, Germany, 29 Nov – 1 Dec 2011.
http://www.intermodal-events.com/

株式会社EFインターナショナル
中尾 治美


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