コンテナリース大手2社合併後の状況は? / コンテナ市況レポート 2016年7月

7月3日にフィリピン東海上、今年初めての台風1号が発生した。7日には中心気圧が900ヘクトパスカル、最大風速は60メートル、最大瞬間風速は85メートル、”スーパー台風”と呼ばれるまでに発達した。それが8日早朝に台湾に上陸した。その後、中国大陸に北上する見込みである。 統計上、台風1号が一日でここまで発達するのは戦後初めてとのこと。また台風が7月まで発生しなかったのは戦後2番目に遅い記録である。

過去30年間の平均値は、台風は年26回発生し、日本への接近数は年12回、そのうち3回が日本に上陸。2015年の夏は日照時間が短く雨が多い冷夏であった。それはエルニーニョが原因で今年はそのエルニーニョ現象が収束し、ラニーニャ現象に変わりつつあると気象庁は発表している。エルニーニョ現象からラニーニャ現象に移り変わる年の台風は発生数が少なくなる傾向にあるとか。今年は気温が高く、非常に蒸し暑い日が続く年になりそうである。 その上、台風が3回、日本に上陸する可能性を覚悟しなければならない。自然の猛威は予測しがたい。

欧州連合(EU)は英国が6月23日の国民投票でEUから抜けるという決断をしたことで混乱をきたしている。 キャメロン英国首相にとって、英国民の答えは想定外であったであろう。一方、離脱派のリーダー達は、離脱後のビジョンを持たず、離脱と言う目的が達成できたので自分の役割は済んだとリーダーを辞任し責任回避に動くのは政治家としてお粗末である。政治家は結果に対して責任を負うべきである。今の英国国会議員のリーダーは、演説は上手いが、庶民の苦労を知らない裕福な家庭育ちのぼんぼんに見える。政治をゲームと見ているのではないか?英国でも米国と同じように女性指導者が生まれる可能性がある。鉄の女、サッチャー首相のような強い指導者を期待する人は多いのではないか。これから英国は離脱後の新たなシステム創りに膨大なエネルギーを必要とする。それを乗り越える真のリーダーを期待したい。

余談ではあるが世界は男性指導者から女性指導者へ期待する潮流があるのではないか?男性優位社会から女性優位社会への移行、というよりも本来あるべき男女平等社会への動きである。いずれにしても変革にはそれなりの長い準備期間が必要である。それが大きな組織であればあるほど、組織が複雑であればあるほど準備期間は必要である。変わるべくして変わる場合はその裏に長いそれを支える力が働いているはずである。但し準備期間がその変革を認めるまで成熟していない場合はその変革が成功するのは難しいのではないか?

リース会社大手2社、TritonとTALの合併はどうであろうか?2社で500万TEUを保有する巨大リース会社の誕生である。昨年12月に合併の発表があってから既に半年が過ぎた。この2社の合併発表までにどのくらいの準備期間が用意されていたのであろうか。 確かに、一般的にTritonとTALの社風は似ていると言われている。だから合併は簡単?しかし、これだけ規模的に大きなリース会社の合併はそう簡単ではない。一方が他方を吸収合併するやり方ならもっと簡単かもしれない。しかし、TritonとTALの合併は対等合併に近い。ある意味、良いとこ取りの合併の試みである。今もって両社が別々に船会社の長期リース入札に参加しているのに違和感を覚える。合併発表前にそれぞれの会社が発注した新造コンテナに限定していると言われている。しかし似たような企業文化が災いし思い切った判断・決断ができにくいのではないか?それ故に時間がかかるのではいだろうか?傍目にも両社の合併は簡単そうに見えない。単純に2社の合併で運用コストの半減、運用益増を期待したのであろう。しかし、両社合わせて500万TEUという本数のComputer Systemの統合は新しいSystemの導入より難しいと言わざるを得ない。その上、TALは上場会社でTritonはPrivate会社である。合併の複雑さを物語っている。コンテナ需要が大きく動き出すとき両社の合併の成果が問われる。引き続きTriton/TALの合併の行方に注目していきたい。

中国の新造コンテナ価格は若干弱含みの$1,400 per 20f である。新造コンテナの工場在庫も先月に比べ8%積み上がって75万TEUである。船会社もコンテナリース会社も今はじっと耐え、時期を待っているのが現状であろう。コンテナリース会社は船会社無しに経済活動を続けていくことはできない。船会社もコンテナリース会社を必要としている。その関係は持ちつ持たれつの関係である。船会社の成功なくしてリース会社の繁栄はない。であるが故にコンテナリース会社はいかに船会社を盛り立てることができるかを考えればコンテナリース会社の成功はある。コンテナリース会社はそのことを肝に銘じるべきである。

コンテナリゼイションは物の運搬で最も効率の良い手段であり、それに代わるものが無い画期的な輸送手段である。その点で船会社、コンテナリース会社は世界に大いに貢献している。自信を持ってほしい。我々は、新造・中古コンテナの売買を商いとする小さな、小さな会社である。しかしながら我々のような中古コンテナ販売会社の存在は、船会社、コンテナリース会社にとって無視できない存在になってきていると思う。コンテナリース会社はコンテナを船会社に提供し、船会社は自社コンテナと合わせてそれを荷主に使用してもらう。コンテナは10年サイクルで新しいコンテナと入れ替える必要がある。10年も使用しているとどうしてもコンテナは物を入れる容器であるから表面に取り扱い上受けた凸凹が出てくる。あるいはコンテナはそれが原因で錆がひどくなり、修理箇所が目立ってくる。見てくれも悪くなる。荷物を運んでいるときに水漏れ等のダメイジの可能性が高くなる。船会社、コンテナリース会社にとり10年以上使用するとコンテナの保守費用も上がってくる。そうなってくるとどうしても10年サイクルで、新しいコンテナと入れ替えることにより安心して荷主に荷物を積んでもらう必要がある。

我々の力は小さいが、船会社、コンテナリース会社を支えているという自負もあり、コンテナリゼイションの一翼を担っている誇りを感じている。

株式会社EFインターナショナル
中尾 治美


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