業界最大のアライアンス”2M”の戦略は? / コンテナ市況レポート 2016年8月

8月5日(金)夜、ブラジルのリオデジャネイロで第31回夏季オリンピックが開幕した。南米で初めてのオリンピック開催である。205か国・地域の11,000人以上の選手が28競技306種目を8月21日(日)閉幕までの17日間に過去4年間の成長を競う。ブラジルは日本から見ると地球の反対側に位置する南半球にあり、リオデジャネイロとの時差は12時間である。国民の大半がここしばらくは寝不足に悩まされながら自国の選手を応援することになる。

オリンピックには賛否両論があるが、4年に一度、世界の国・地域代表の若者が決まったルールに従って記録を競うことは素晴らしいことである。それも一つの都市に集まり、全世界の人々の注目を集め、スポーツを通していろいろな国・地域の人々、民族が相互理解を深めることができればこんな素晴らしいことは無い。オリンピックでは自国選手をどうしても応援したくなるが、決して排他的ではない。他の国の選手の美技、フェアプレイ、マナー、友情、偉大な記録、記録への努力に対して自然に尊敬、敬意、驚き、羨望をもって公平に応援している自分がいる。

ブラジルは今冬の季節である。といっても8月の平均最高気温は25.6℃、平均最低気温18.9℃。小生が住む横浜市の8月7日(日)の最高気温34℃、最低気温28.9℃に比べたら羨ましい。一方、4年後、東京で第32回夏季オリンピックが開催される。その時、野球・ソフトボール、空手など5競技18種目が追加になる。それも予定では7月24日から8月9日とのこと。この時期の東京の気温は例年、最高気温30℃前後、最低気温23℃前後。日本は真夏の最中である。この過酷な温度下での競技はいかがなものかと思う。なぜ “スポーツの秋” 日本で一番気候が良い秋(最高気温25℃、最低気温20℃前後)に開催できないのか?それこそ真夏の開催は日本の印象を悪くするかもしれない。オリンピックが過度な商業化に走ることに賛成できない。

オリンピックはスポーツを通して世界の人々の心を一つにすることは間違いない。このような世界の祭典を提唱してくれたフランスのクーベルタン男爵に感謝したい。またそのオリンピック憲章を読み直してみると感動を覚える。物事は多くの人の賛同を得て栄え、その理念をなくすと滅びざるを得ないのか。今一度クーベルタン男爵の1894年の初心に立ち返る必要があるのではないか?

業界紙日刊カーゴによると、7月末のコンテナ待機船は1年前より142隻増加して269隻、船腹量は91万TEUで約2.6倍に増加しているとのこと。興味を引くのはそのうち船会社以外が管理するコンテナ船は82%を占める。一方、この1年間で約40万TEUがスクラップされたが、需給バランスをとるにはあまりにも少ないので船会社により7月から行われた運賃修復は難しい。

マースクラインは業界トップのデンマークの船会社である。コンテナ船の大型化を始めたのも彼らである。第3国船社として世界7つの海に君臨している。また、スイスの船会社であるMSCと2Mというアライアンスを構成している。そのマースクラインが競争力を高めるために2006年に出てきた超大型コンテナ船“Eクラス”11,000TEU船8隻の積載能力を7月のドライドックから16,500TEUに高める作業に入る。同時に減速運航により適したバルバスバウの改造、プロペラの交換も行う。2011年には”Sクラス“8600TEU型船16隻の積載能力を10,000TEUに上げている。翌年2012年にはパナマックス船型船のバルバスパルの交換を行っている。

一方、2MのパートナーであるMSCはCMA CGMが支援するコンテナフリートのモニタリングシステムに今年の第4四半期から参画する。世界の25%を占める両社のフリート450万TEUにリアルタイムでデーターを収集できるシステムを取り付け、同システムの世界標準化を狙っている。

中国の新造コンテナ価格は従来の溶剤型塗料で、$1,400 per 20f、水性塗料は$1500 per 20fと$100高めである。中国コンテナメーカーの工場在庫は若干増え、77万TEUとなっている。船会社は新造コンテナでの長期リースは長期固定化を避け、割安のデポコンテナのショートリース、MLAリースでのコンテナ調達を図ったため、コンテナリース会社は韓国、台湾、マレーシア、シンガポールを除き中国をはじめ大幅にデポ在庫を減らしてきている。

どの業界でも同じであると思うが、他と同じことをやっていては業績を伸ばせない。常に業界の先を読み、誰より先に今までと違うことを実践することが要求される。あるいは新しいことがある程度会社に貢献すると考える場合はそれを実践できる自由度が必要かもしれない。それを革新的と呼ぶのかもしれない。何かしら今までと違うことをやることから変革が生まれ、組織が生き返るように考える。石橋を叩いて渡っていては今の業界は生きていけない。ましてやほかの人と同じことをしていても進歩は望めない。そのヒントはオープンで柔軟性がある組織であることが必須である。内向きな組織は問題である。外部の話に耳を傾け、謙虚に良いものは良いという精神で取り込んでいく経営が望まれる。コストがかかろうが正しいと思うものを躊躇なく実践していく。それをマースクラインは持っているようである。

株式会社EFインターナショナル
中尾 治美


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