北米西岸のストの影響は? | コンテナ市況レポート | 2015年3月号

  • by 中尾 治美

毎朝、桜の名所で有名なお寺の横を通り東神奈川駅に向かって通勤している。そのあたりは急な登り勾配でその小高い丘を登るとあとはなだらかな下りである。そのお寺に2重搭があり、その2重塔に向かって歩くことになる。いつの日かその銅製屋根の緑青色が美しいと感じるようになった。あの何とも言えない濃い緑色は言葉に表すことは難しい。だから緑青色と表現するのかもしれない。この景色を眺めて半世紀以上が経つ。その緑青色は年を重ねるごとに鮮やかになるように感じる。但し、その緑青色を楽しむことができるのは秋から冬にかけてである。桜で有名なだけに、春になるとその丘全体が桜の花で覆われる。それは見事である。そして桜の時期が終わると2重塔はその桜たちの新緑の葉で覆われる。木々の葉が勢いよく芽吹き、そのうち青々と葉が生い茂り、2重搭は小生の視界から消える。また季節が巡り、冷たい風が葉を落とし、その緑青色の屋根が姿を現す。木々の地肌色にその緑青色は実に鮮やかである。今年も見えている2重塔の緑青色の屋根も徐々に新緑で見えなくなるであろう。これも季節の廻りを認識させる。
 
経済循環もこの自然の営みと同じなのではないか。ある年月をかけて好不調を繰り返している。ミクロ・マクロからみてもこの経済循環が起こっている。海運業界についても良い時と悪い時の繰り返しである。コンテナリース会社に勤めていた1990年代まで日本でもリース需要について一定の期間で好不調を繰り返していた。関東ではコンテナの需要が無いが、関西では需要が強かったり、その反対であったりした。日本がアジアの輸出の6割7割を占めていた時代である。船会社から返却されるリースコンテナの量も半端ではなかった。円高も重なり早めに近場の需要地に横持ちを掛けるか、次のリース需要まで待つか、その時の日本在庫管理はリース会社にとって死活問題であった。

経済は廻りものである。だから今、景気が悪いと言って悲観することは無い。また良い時が必ず廻って来る。大切なことはいかに耐えるかが問題である。春になると木々が一斉に萌え出すように、実力をつけ準備をしておく必要がある。そのための努力を惜しんではならないと痛感している。
 
米国の2月の非農業部門の雇用は29.5万人増、2月の失業率は前月比0.2%下がって5.5%。また、原油安が、GDPの7割を占める個人消費を後押している。そのため2月の新車販売台数は前年同月比5.3%増、1,256,619台を記録した。2006年以来の高水準とのこと。中国は全人代で2015年の実質経済成長率を7%に設定し安定成長を目指す。また、都市部で1千万人以上の新規就業目標を掲げている。円相 場は6日$1.00=121.29円を付け3ケ月ぶりの円安。日本の自動車メーカーが円安効果を受けている。富士重工は輸出台数が23ケ月連続で前年を上回った。日産自動車の1月の輸出台数は前年同月比41.3%増。一方、キャノンは2年以内に現在の国内生産比率を現在の4割から、5割以上にするとのこと。円安は日本の製造部門の国内回帰を後押ししている。日本メーカーのMade in Japanのブランド力の復活に期待したい。
 
新造コンテナの価格は$1,950 per 20fで変わりがない。中国の新造コンテナの在庫は85万TEUに近い。旧正月が明けたが、まだ動きの方は鈍い。北米西岸のストは回避されたが、その影響は計り知れない。北米の港湾荷役が正常に戻るまでに3ケ月いや半年かかると言われている。一方、北米港湾施設の、カスケイドで北米航路に投入されている大型船への対応があまり出来ていないとも聞いている。大型船投入でスロット当たりの単価は下がるが、それに付随する運用コストを考えると船型の大型化は一つの解決策ではあるが絶対ではなさそうである。船を燃料代が一番かからない速度で運航するのは、部品の在庫を持たず、just in timeに配送するために船上在庫的な役割を果たす意味では時代にマッチしているのかもしれない。本来のお客の立場からいえば、アマゾンの翌日配送は理想であろう。お客様満足度は100%である。その意味でその航路に合ったCapacityの船を選ぶことも、迅速な配送の意味で、お客様を満足させるには良いのではないか。コンテナ利用からしても、もっと速やかにきめ細かい運用が期待できるのではないだろうか。大型船に誰も彼も走るのではなく、そのサービスは多様化があって良いと考える。まだまだ考え方次第で勝負ができる道が開けるのではないか。

EFインターナショナルは、この3月で丸5年経過、6年目に入った。現在、7つの代理店業務を引き受けている。代理店名とその取扱商品をここで改めてご紹介しておきたい。

1) 2010年 3月 Kukdong MES/JJ MES / 韓国のISO Container Trader
20年以上の歴史がある。中国、アジア、中東、米国に販売ネットワークを持っている

2) 2011年 2月 Future Box Corporation / 韓国のISO Container 製造特許を保有
そのコンテナを世界的な船会社に対して販売

3) 2011年 3月 TydenBrooks社  USA本社 /100年以上の歴史、全世界でSecurity Sealの販売
船会社、飛行機会社、グローバル、ローカル企業向けに販売している。

4) 2012年 5月 Mirai Hi-Tec Co.,LTD.
韓国の中堅のChassis製造販売会社。既に日本でEFIの手で9台の販売実績がある。

5) 2013年 1月 UES International (HK) Holdings Ltd.  / 香港本社、世界10位のコンテナリース会社
全世界にデポネットワークを持つ。

6) 2013年 7月 Thermo King  USA本社 /100年以上の歴史、コンテナ、トラックの冷凍機及び発電機メーカー
世界で初めて冷凍コンテナを造った会社。

7) 2014年 8月 MCC Tank / 中国天津本社、中国の新規タンクメーカー
中国最大の国営冶金メーカーMCC(2013年Fortune Global 500で302位にランク)の子会社。

そのいずれも我々の知名度が上がるにつれ販売実績も伸びてきた。どの代理店業務をとってもそれ一つで独立した会社としてやっていけるだけの立派な商品である。これまでの5年間を支えていただいた皆様に厚く御礼を申し上げると共に、皆様の熱いご期待にお応えできるように、次の5年目に向かって、お客様満足度100%を目指して我々自身切磋琢磨し、大きく成長していきたいと考えている。

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