世界的プラゴミ問題の早急な解決 / 生産拠点は中国から東南アジアへ | コンテナ市況レポート 2019年7月

  • by 中尾 治美

      週末、女房の買い物に同行する。この頃、スーパーでレジ袋(ビニール袋)に1枚3円あるいは5円と払うのが当たり前になった。我が家ではだいぶ前から自前の買い物袋を持参している。レジ前に並んだ人の買い物籠はプラスチック、ビニール、ポリ袋に包まれた商品やペットボトルでいっぱいである。その結果、食事を作る時に出るプラスチック、ビニール、ポリ袋の数が半端な量ではないはずである。食事のおかずの品数が増え、食事の回数が増えればその量たるや台所に置く場所が無くなる。
     食料品の大量商品化のためのプラスチックが使用されている。一定の形状で形崩を防止?梱包可?大量運送可?品質保証?商品内容表示可?実にプラスチック、ビニール、ポリ袋を使用することによりある時代に我々の日常生活は大きく変わった。ある意味で便利になったと言える。
     現在、そのプラスチックが我々の目に見えないほど小さな”マイクロプラスチック(5ミリ未満のプラスチック片)“として生き物、いや人間の生活を脅かすまでになっていることを御存じあろうか? 川、海、砂浜、陸地、風に混ざり魚、生き物、人に食料として、あるいは呼吸から摂取されている事実がある。インドネシアに流れ着いたクジラの胃から、5.9Kgのプラスチック、ポリ袋25枚、ラーメンカップ115個、ペットボトル4本、サンダル2個、ロープ等が見つかったとのこと。プラスチック、ポリ袋、ペットポトルが生き物の命を脅かす。その回収は待ったなしである。
     自国のごみは、自国で処分することを自覚すべきである。都市鉱山と言われているように我々の使っている物は貴重な鉱物資源である。そのリサイクルは地球に資源の限界がある以上絶対必要である。そのためにも我々自身意識を高め自然を大切にすべきである。そのために国はゴミの資源再利用にもっとエネルギーと資金を投入し、改革を図るべきである。我々もそれ相応の負担をすべきであると考える。
    小生の子供の頃はレジ袋が無かったので、買い物籠持参は当たり前であった。市場に行くと、ほとんどの食材が経木(きょうぎ)や新聞紙が活用されていた。お弁当のお握りは竹の皮で包み、豆腐は水を張った真鍮のボールの器をもってお店に買いに行ったのを覚えている。お醤油やお酒は空の瓶を持参した。納豆は藁包み、そのまま発酵させて販売していたのを覚えている。
    一方、鍋釜の修理屋さんが来て、穴の開いた鍋はもちろん、折れた傘も直してくれた。要らなくなった鉄くずは鉄屑屋さんが引き取った。良く磁石に糸を付けて小さな釘、鉄破片を集めたものである。食事を作る時余ったものは残飯屋さんが豚の餌にすると言って持って行ってくれた。ひもじい時代であるから今みたいな残り物が大量に出るはずもない。少々の残り物は自宅の畑の肥料にした。ちなみに400年前の江戸時代はエコの時代と言われ我々の日常生活で捨てるものは何もない。100%にリサイクルされていた時代と言われている。

     6月の米国雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比22万4,000人増加、失業率は、前月比から0.1ポイント悪化して、3.7%。完全雇用に近い。平均時給は27.90ドルで前年比3.1%増加、11ヶ月連続で3%の伸びを保っている。米経済はまだ元気だ。
    6月29日、G20で米国トランプ大統領と習近平中国主席との2国間のTop会談で米国の中国製品に対する7月からの追加関税、3000億ドルは先送りされた。大きな混乱は避けられた。米国小売業界(NRF)によると今年8月、10月の中国からの輸入貨物は昨年同月を上回る月間最高水準になるとみている。現在の中国通貨元安が米国高関税圧力をある程度弱めていると言える。
     多国籍企業が中国の生産拠点を東南アジアに切り替えている。その結果が東南アジア主要国の米国向けの輸出が増えている。HP、Dell,などの米国パソコンメーカー大手が中国のパソコン生産を3割、東南アジアに移管することを発表した。アマゾン・ドットコム、マイクロソフトも生産拠点の分散を検討しているとのこと。中国から東南アジアへの生産拠点のシフトが止まらない。
     中国で家畜伝染病、アフリカ豚コレラの流行で豚肉価格が高騰している。一方、消費が豚肉から安い鶏肉に移行したため、輸入鶏肉卸が上がっている。 船会社、リース会社のリーファーコンテナの発注を促している。

    6月末現在の中国新造価格、$1,780 per 20fで先月より$20 per 20f 下がっている。中国の新造コンテナの総数は1,046,110TEU (Dry: 990,190TEU, Reefer: 55,920TEU ) である。

     7月に北米西岸、東岸ともに300ドル以上の運賃修復が行われた。それは各アライアンスが船腹削減に動いた結果である。一方、欧州航路では船腹削減の動き鈍かったため運賃が低迷しているが、ここに来て欠便の動きが出ているが2Mが加わっていないために欧州の運賃修復は夏場に向かっても予断を許さない。過剰船舶は運賃修復の妨げになり、決して一人勝ちはできないことを肝に銘じるべきである。そして各船会社がより良いサービスを荷主に提供し、納得してもらえる運賃を得るように努めてほしいと願っている。

     最後に、鉄くず、プラゴミ、家電ゴミ、生活ごみが我々の生活圏内に野ざらしで保管されているのが見受けられる。その保管に中古コンテナを使用することを提案したい。20fコンテナ1本にMax20~24トン、40fは約36トンまで入れることが出来る。入れたコンテナを3段積、4段積にすれば狭い場所も有効利用できる。雨、風からごみを守ることが出来る。そうすることにより匂いも防げ、衛生的にも良い。勿論、美観も良くなる。一方、積んであるコンテナを他の場所に移動する場合も簡単である。但し、日本ではコンテナを倉庫として使用する場合はお役所から建築確認を取る必要がある。時代遅れの規制であることは間違いない。早く是正してもらいたい。
    我々EFIは此の要望を全てかなえることが出来る。新造・中古コンテナ(Dry, Reefer, Tank Container)、その他特殊コンテナ、Chassis、コンテナシール、Reachstackerを取り扱っている。リースでの提供も可能である。One Stop All Completedのサービスである。

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