日本人に特別なお盆の季節 / 米中貿易摩擦、ブレグジットによる影響 / ONEの劇的な成長 / 内航船社に魅力を | コンテナ市況レポート2019年8月

              太陽がじりじり照り付ける中、墓石に水をかけ一生懸命汚れを落とす。花を添え、お線香を焚き祖先を迎える準備をする。歳をとるに従い、この仕事は大変である。我が家は旧暦でお盆を迎える。8月13日盆の入り、16日盆明ける。但し、お墓参りは仕事の関係上、実際のお盆の時期の一週前の土日にしている。幸い今では夫婦の両親の実家、お墓は横浜にあり、車の渋滞がなければ1時間ぐらいで行ける距離である。今年は8月11日(日)朝早く行ってきた。女房の実家では盆飾りをして、亡くなった両親、先祖をお迎えする。女房は宮城出身なので、姉妹、兄のいる大船の実家に集まり、仏壇に盆提灯を飾り、きゅうり、ナスで作った精霊馬を飾る伝統を今でも守っている。残念ながら小生の方は横浜にきてから家に仏壇が無いのでお墓参りをした記憶しかない。但し、小生の生まれ故郷の長崎では精霊流しや、仏壇のお供えを精霊船で川や海に流したのを思いだす。小生にとって、お盆の時期はうきうきした待ち遠しい気持を思い出す。但し、お盆が終わると我々の夏気分も終わり、いっぺんに秋模様になる。
              明治時代に新暦を採用した結果、各地で7月か8月でお盆を祀るようになったが、仏教に由来するものである。隅田川の花火、各地の盆踊り、徳島市の阿波踊り、岐阜県の郡上踊り、京都五山の送り火等もそのなごりである。2016年から国民の祝日に加わった8月11日、“山の日”の祝日の振替休日が8月12日(月)となり、学校の夏休み、製造業のお盆休みで、この時期は日本国民の大都会から地方への大移動となる。また、8月の歴史的事実、広島、長崎の原爆投下、終戦記念日を思い、この暑い炎天下で行われる夏の高校野球の甲子園大会の球児の屈託のない活躍を見ると元球児にとって、いや日本人にとって8月は特別の月であると感じる。

              米労働省の7月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比164,000人増、失業率3.7%と低水準を維持している。平均時給27.98ドル、前年同月比3.2%増。12ヵ月連続で3%台の伸びである。米景気拡大局面は7月で11年目に突入し、戦後最長を更新中である。 一方、米国連邦準備制度理事会(FRB)は、7月31日に政策金利を0.25%引き下げ2.20~2.25%にした。2008年12月以来の利下げである。アジア新興国の中央銀行も金融緩和で景気刺激策を狙い追随する見通を打ち出している。
              その中、8月1日にトランプ大統領が対中貿易交渉の打開策として、新たに中国製品、3000億ドルに追加関税、10%を9月1日より上乗せすることを発表した。そうすると中国人民元が、5日に1ドル7元を突破したため、トランプ大統領は中国を”為替操作国“に指定した。7日の上海市場で1ドル、7.0414元を記録した。1ドル、7.2~7.3元の為替水準は第4弾の米国追加関税が中国経済に与える影響をゼロにできると言われている。しかし、3兆1000億ドルの外貨準備を抱え、それをドルで運用している中国にとりドル安は諸刃の剣である。
              米国の2019年上期(1月~6月)の対中貿易額2710億ドル、前年同月比13.7%減。貿易赤字、1670億4400万ドル、前年同月比10.1%減と縮小している。4~6月の中国の実質経済成長率は6.2%と1992年の統計開始後、最低となり、この第4弾で6%割れも現実味を帯びてくる。さらなる製造業の海外移転が進むと中国経済も大きな打撃を受ける。

             7月24日英国では、ボリス・ジョンソン氏が首相に就任した。これで英国は10月末に欧州連合(EU)から“合意なき離脱”にまっしぐらである。世界のリーダーとしての意識を変えることができなかった”ブレグジット“は、英国に対して、苦難の道が待ち構えている。それを国民に理解させることができなかった英国政治家の責任は重い。世界で政治は 経済を動かしている。そこにはリスクもあるが、我々にチャンスを与えるという事である。

              邦船3社の定航部門統合会社、Ocean Network Expressは7月31日、2020年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表した。前年同期比で売り上げ高39.1%増、28億7500万ドル。当期損益は前年同期の1億2000万ドルの赤字から1億2500万ドルの増益を達成し、500万ドルの黒字をもたらした。1年前のスタート時の混乱からの復活である。北米往航の第一四半期の積み高は、前年同期比26.2%増、66万9000TEU, 消席率は86%、14%改善。北米復航は、60.6%増、35万TEUで、四半期の最高記録を達成。消席率も14%改善して47%を達成した。欧州航路は、積み高で、47.1%増で46万TEUを記録。消席率は87%と14%改善。復航は66.5%増、32万3000TEUと四半期の最高を記録した。消席率は16%改善し64%を達成した。これはONEにとって大きな第一歩である。優秀な邦船3社の定航部門が一つになりそれぞれの特長を生かしていけばNo. 1にならない訳がない。引き続き期待したい。

              政府にお願いしたいことがある。それは内航船社を国際的に競争力のある船会社にすべきであると考える。2024年度に終了する“内航海運暫定措置事業”制度が1967年から実施され内航船社は外航に出られない。船の建造費が安く造れると言うメリットはあるが、一方で、船の安全性は国際基準から劣り、成長産業として魅力を欠き、結局日本人船員が減る結果を招いている。日本人船員を増やすためにもっと内航船社を魅力あるものにすべきであると考える。政府はモダルシフトを唱えながら、その実、何にもやってきていないように思える。それが海洋国日本の魅力をなくしているのが現実では無いのか。今では外航邦船社もSingaporeに運航本社を置く一社になってしまった。海洋国として、日本の造船・運航技術、経験、Knowhowを引き継ぐ受け皿がなくなってきているのは残念である。

              新造コンテナ価格は$1780 per 20fで先月と変わらず。中国の新造コンテナの工場在庫は1,131,430TEU(Dry: 1,066,914TEU, Reefer: 64,516TEU)である。