コンテナ市況レポート 2013年2月

このレポートが配信される頃は中国では旧正月の真最中である。今年中国では旧正月前後40日間で延べ34億人(前年比9.1%増)の人が移動すると見られている。この民族大移動のエネルギーは大変なものである。中国の旧正月の休みが世界経済に与える影響は計り知れないものがある。

1月30日から2月2日まで駆け足で上海に出張してきた。中国の旧正月の雰囲気に触れることができた。現地のTVでも帰省するために鉄道の切符を手に入れることが大変であると報道していた。今では、50%以上の人がインターネットで購入、電話での購入は25%、駅で切符を求める人は数パーセントであるとか。購入する人は最初に手に入る切符を高くても取りあえず押え、2枚目、3枚目を買い求め、後で高く買った切符をキャンセルして払い戻しする。そのため必要な人に切符が行き渡らない。切符を買っても汽車に乗るのも大変である、何日前から駅に泊まり込みで席を確保しなければならない。郷里にたどりつくのは至難の業である。40~50年前の日本でも同じ光景が見られた。また、地方でも雇用機会が出て来たため、郷里に戻った労働者が都市に返ってこない。そのため都市で労働者の確保が難しくなっているとのこと。労働者を引き留めておくため、旧正月休み前に渡すボーナスを、半分を休み前、残り半分は旧正明け戻った時に手渡すとのこと。

今回、FBC社がライセンスを持つ2種類のコンテの生産は上海にある2社に依頼をした。Sliding Door Containerは特殊コンテナ専門会社、Hybrid Open Topは大手のメーカーである。そこで気が付いたことは両方の工場でのキーパーソンは女性であること。一人は工場長、もう一人は工場長の補佐役で、両者とも流暢な英語とコンテナに精通し、てきぱきと製造責任者に指示を出していた。結果的に、いくつかの改修をお願いすることになったが、何人もの工場技術者が図面を見ながら喧々諤々話合いながらも直ぐに対応をしてくれた。その真摯さと前向きな姿勢に感動を覚えた。そこにはプロ意識があり、良い物を造るという創意が根付いている。今の日本では何日もかかるであろうと思われるものが数時間、あるいは翌日には出来上がっているのである。日本では考えられない物造りに対する熱意がそこにあり頼もしく感じた。

2012年、中国は米国を抜いてモノ貿易総額世界一になった。米国は前年比3.5%増、3兆8628億5900万ドル、中国は6.2%増、3兆8667億ドル。2010年にGDPで日本を抜いて世界第2位に躍り出た中国。上海の空もスモッグで汚れていた。中国の大気汚染問題は市民の健康を損なうため、緊急に解決をしなければならない問題である。中国のTVもその話題を連日取り上げ、市民の関心を喚起していた。

この点でも日本が中国に対して協力できる点である。中国は急激な工業化でその歪が出ている。我々は中国市民のために民間レベルで協力できることをやる必要があると思う。少なくとも小生が会った人、仕事に関係ない人でもみな親切で、ほとんどの人が日本贔屓である。帰りの浦東飛行場で車椅子を押してくれた中国東方航空の青年は、小生に大切にしている写真を見せてくれた。それは倉木麻衣(日本人歌手)とのツーショットであった。彼女が上海に来た時に一緒に撮った写真とのこと。日本が好きだと言っていた。小生も“中国が好きですよ”と応えると、ニッコリとした顔が返ってきた。

コンテナ価格は$2,300 per 20fを底値に旧正明けから上がる傾向にある。工場在庫は80万TEU。2月6日に切れる北米東岸のILA-USMXの労使交渉は取りあえず6年間の延長となり最悪の状態は避けられた。太平洋航路安定協定(TSA)は4月1日より北米西岸向けに$400/FEU、その他地域向け$600/FEUの値上げを決めた。収支改善のためにも運賃修復は船会社にとって急務である。

相変わらず船会社の大型船の用船が活発である。船価、用船料の低下が大きな要因。昨年のEvergreenの13,800teu船10隻用船決定。今年1月に入ってYang Mingが14,000teuを5隻(+5隻オプション)、 MOLが2014年竣工の10,000teu船4隻用船決定し、今年就航する14,000teu船5隻をAPLより用船する。その上、自社新造船8,600teu船2隻が今年加わり、アジア欧州航路に投入される。今年引き渡されるコンテナ船腹量は170万teuで昨年比、9.5%の伸びとなる。そのうち10,000teu超の船が43隻、65万teuである。欧州経済の安定、米国経済の持ち直し、アジア域内での荷動きが増えて来ている事を考えると、年後半からの世界経済の回復も現実のものか。

日本人の海外留学生が2010年に58,060人(前年比3.1%減)、6年連続の減少のニュースが出ている。ピーク時の04年(82,945人)に比べ24,885人, 30%減である。“内向き志向”を打破すべく、日本の若者は海外に出るべきである。日本の若者が海外でやるべき仕事は大いにあり、海外の人がそれを待っている。海外に活躍の場所があることを自覚すべきである。そこには日本では実現出来ない夢があると信じるべきである。日本人のハートをもってすれば言葉はいらない。やる気さえあれば大きな生きがいを見つけられる。若者よ!自信を持て海外へ出よう!

株式会社EFインターナショナル
中尾 治美


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