コンテナ市況レポート 2011年3月

  • by 中尾 治美

日本で3月11日(金)午後2時46分に国内観測史上最大の地震Magnitude 9.0 が東北・三陸沖で起こった(東日本巨大地震と命名された)。津波が襲った後の東北の被災地は戦場の跡地の様で言葉もない。その様子は何度もTVで放映され身のすくむ思いを禁じ得ない。何千人もの死者、行方不明者が報告され時間が経つにつれてその数は増している。一番問題なのはライフラインである、水、電気、道路の確保である。被災地で有る東北地方は日中でも摂氏2~5度、夜には零下になる。TVが雪のふる被災地で救助にあっている人々を写していたが、被災された人々はもちろん、復旧作業に当たっている方の御苦労は計り知れない。

震源地から600キロメートル以上離れている大都会の東京でも、全ての交通機関が一昼夜止まり、かなりの人が来宅を諦め臨時に設けられた避難所で一夜を明かしたとのことである。小生が住んでいる横浜(東京の隣の都市)でも、交通機関が止まり、今まで経験したことが無い大きな揺れ、五度強(日本の気象庁震階級10度の分類の強震に当たり最も強い上から4番目)を生まれて初めての経験で有った。横浜では建物の倒壊は見られなかったが、小生の家の中の本棚の本が飛び散り、食器、花瓶は床に無残な姿をさらしていた。その中で困ったことは、電話が通じない、特に携帯はここ横浜市内でも一日中不通で有った事に大きな不安を覚える。3日経った本日、14日(月)も強い余震を感じる。今回の地震の巨大さと、如何に人間が自然に対して無力であるかを改めて実感した。この巨大地震、津波がこの大都会、東京、横浜に起ることを想像すると身の毛がよだつのを禁じ得ない。但し、心配しているだけでなく、地震大国として今までの数々の大きい地震を経験した国民として、救援活動を応援するとともに、その復興の迅速さを私個人としても全世界にアピールできるようにしたい。

また、我々がこの地震を経験してから1時間も経たないうちに、海外の知人、会社関係の人達特から多くのメールで小生の現状安否の問い合わせと温かい励ましのメッセージを頂き感謝するとともに、インターネットで如何に我々が世界の人と身近にいるかを実感する。また、外国メディアがこの地震のせいで円が上がっていると伝えていた。それは、この地震の復旧のために海外使われていた円が日本に回帰するとの思惑からである。一方、海外で上場している日本の企業の株価が売られているとのことである。それはこの地震で経済活動が制限されると予想されてのことであろう。このように今は瞬時にいろいろな情報が世界を駆け巡り世界の経済を動かしているのを実感する。チュニジアで始まった民主化運動がエジプトのムバラク政権を倒し、リビヤのカダフィ大佐の独裁を終わらせようとしている。また一方、この民主化運動が全世界に中東政情不安から原油高騰をもたらしている。これまで順調に回復してきた世界経済に重い足かせとなろうとしている。多くの企業が、燃料コストの上昇で業績を下方修正せざるを得ない。船会社も例外ではない。今年の中国の旧正月後の荷動きの大きな落ち込みと船舶過剰問題で運賃に下げ圧力が掛かっている。
中国では中国通貨、RMBを徐々にではあるが切り上げることでインフレを抑え込む政策を取るようである。旧正月後、多くの都市で労働力確保に苦労している。労働者を集めるために賃金を上げざるを得ない状況にある。それは中国の物価上昇率が速く、更なる所得格差を生じ、中国社会に大きな不安要因を生じているからである。

中国のコンテナメーカーは、新造コンテナ需要が2010年に急回復した結果、業績は大きく改善し大幅な黒字を記録した。新造コンテナの需要は2012年まで続くとみられ世界第2位のコンテナメーカーのSingamas社は新工場の建設を上海市政府に申請しているとのことである。

過去リーマンショック前までは年間新造コンテナは300万TEU以上が製造されていた。その一方、船会社、リース会社からリタイアするコンテナは年130万TEU前後と言われていた?2010年にはその半分の70万TEU以下となり、中古市場の需給バランスに大きな影響を与えている。新造コンテナの価格20F当たり$3,000を超えて、中古コンテナ価格も上がっているが、売り物が中古市場に出てこないために中古販売業者に深刻なコンテナ不足をもたらしている。この直近の3月を見ると船会社も手持ちのコンテナの回転率を高めることでやりし、工場在庫の新造コンテナに手を付け無いで温存している。船会社からのリース需要も一服し、返却もほとんど無い、100%近い稼働率を維持する現状下では、リース会社が中古コンテナ不足に対して貢献する出番は無い。その決果、船会社が新造コンテナに手を付けるまで、言い変えると現在使用している古いコンテナと新造コンテナの入れ替えを始めるまで、中古市場のコンテナ不足は暫く続くことになる。

ここで現状使用されているコンテナの仕様を変えるような話が飛び込んできた。それはFuture Box Corporation社(FBC社)が特許を持っているHybrid Open Top ContainerとSliding Door Containerである。そのFBC社の革新的コンテナの特性につては弊社EFIのホームページの中に紹介している。

https://www.ef-international.com

左側帯の“Innovative Products of FBC” EFI as Japan Agent of FBC をクリックし、FBCの紹介ページにアクセスすると、FBC社が特許を持つ製品Hybrid Open Top 及びSliding Door Containerの優秀さ、革新さを見ることができる。将来のコンテナの形状がFBC社のコンテナに取って変わられ時代が来ることを予感させる。特にVideo label 4) Container (Security) を見ると如何に従来のコンテナドアが安全に対して問題が有るか理解できる。このVideoは従来のコンテナから如何に簡単に痕跡を残さず、物を盗む事ができるかを教えるのでは無く、安全であると思われていた従来のコンテナが如何に安全で無いかを知っていただくためのものである。また、FBC社が特許を持つHybrid Open Top Containerは如何に従来のOpen Top Container の作業に比べ、現場で作業に当たる人々にとって安全・簡単で有るか、また現場の人達が、待ち望んでいるコンテナで有ることを確信する。今後はこのような現場で作業される人達の作業の安全性、利便性を考えたFBC社のような革新的なコンテナの出現が、その革新性で船会社、リース会社が、それぞれのお客様に対し競争力、差別化を図る手段とすることを強く確信するものである。EFIがFBC社の日本の代理店に指名された事に対しFBC社に対して深く感謝するとともにFBC社に対して大きな誇りと、これからの大きな使命感を持つものである。今後ますます多くの革新的な製品を世に送り出すFBC社(Mr. Steve Nam)に大きな期待とエールを送りたい。

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