コンテナ市況レポート 2013年8月

  • by 中尾 治美

7月に入って何回か朝の通勤時間帯に横浜から東京に出る機会があった。小生の通勤時代の1割は空いているように感じた。何故であろうかと考えたが、2年前に起こった東日本大震災後、電力節約のために人々は1~2時間早い通勤に協力した。それが当たり前になったのであろうか?現在では54基あった原子力発電所で、大飯原発3号機1基が再稼働している。今東京の電力不足の話は聞かない。震災後の電力不足のため東京で大停電が起こるという話は何だったのか?この夏の東京の7月の最高平均気温は31°C。35°Cを超えた日が9日。8月は8月10日(土)までの最高平均気温は33°C。そのため多くの人が熱中症で病院に運ばれている。毎朝のすし詰め状態の電車通勤は痛勤地獄に違いない。

一昔前に言われたサマータイムの導入を真剣に検討したらどうであろうか。朝5時はかなり明るくなる。眠気を削がれる明るさである。太陽が昇っているのに寝ていることに無理がある。夏時間を導入し、自然の生活を取り戻す必要がある。この明るさを利用しない手はない。朝の1時間の早起きは健康に良い。エネルギーの節約に貢献する。ある会社で始業を早く始めると、時間外手当の割増を出している。早朝会議は効率が良い。会社も個人もサマータイム制度を受け入れる準備ができている。成熟した日本社会はもっと余暇を楽しむべきである。国も労働力不足解消のために女性が働きやすい環境を整えている。夫婦で育児休暇を取ることを奨励している。若者にとってサマータイム導入は時代に合っている。サマータイム導入は、新たな経済活動を生み。GDPを押し上げる大きな経済効果がある。

一方で、我々が好むと好まざるとにかかわらず、年二回一斉に生活時間を1時間早めたり、遅らせたりする制度は社会に変化と活力を与える。なぜなら時間は絶対である。それが故に、サマータイムは国民に意識改革をもたらす。サマータイム以外に、国民の意識を一つにする機会がほかにあるだろうか。今回の参議院選挙の投票率は51.02%で、前回の2010年(57.92%)より低かった。サマータイム導入は国民の国政参加意識を高める。自分も行動しなければならないと考えるようになることは投票率の向上をもたらす。参議院選挙で圧勝した自民党政権はこれからの3年間安定政権下で、アベノミクスの第三の矢の成長戦略の実現の期待を担う。

上場企業の2013年第2四半期(4月~6月)の連結経常利益は前年同期比、42%増加を記録した。円安効果を受けた輸出企業、自動車関連は言うに及ばず造船業界も7月の輸出船契約実績は前年同月を22隻上回る35隻、総トン数では前年比2.4倍の1.15百万総トンで5ヶ月連続のプラスとのこと。現在世界の船舶建造量は中国、韓国で7割を占める現状を考えると日本独自の造船技術で対抗しないと価格競争ではかなわない。独自の技術を期待したい。

国際通貨基金(IMF)は日本の経済成長が今年度、先進国トップになる見通しを出している。日本政策投資銀行は5日発表した2013年度の設備投資計画調査で、全産業の国内設備投資は15兆9454億円と12年度実績比10.3%増の計画となる。製造業は10.6%増の5兆8190億円。非製造業は小売りや不動産を中心に10.1%増の10兆1264億円を見込む。一方、海外設備投資は25.9%増の5兆92億円。2ケタ増は4年連続。この流れを変えることは難しい。しかし世界経済の回復に大いに貢献してほしい。

邦船3社は7月末、2014年3月期の見通しを出した。定航部門は大幅な下方修正をしたが、会社全体の業績は円安、減速運行による燃料費削減効果、自動車部門の好調な荷動きで会社全体の業績予想を上方修正した。

新造コンテナの価格は、$2050~2100 per 20f、新造コンテナの工場在庫は90万teuあると見られている。大手リース会社はまだ90%の稼働率を維持しているようであるが、デポ在庫は船会社からのSales & Lease Back Container等の返却で徐々に増えている。リース会社は、6月末に事実上倒産した韓国の船会社、STX Pan Oceanからリースしていた60,000teuのコンテナの回収を始めている。残念なニュースではあるが、フローレンスは東京事務所を9月いっぱいで閉鎖する。

弊社、(株)EFインターナショナルは7月1日付けで米国のThermo Kingの日本での販売代理店を引き受けた。Thermo King はMagnumを2002年に、Magnum Plusを2009年に世に出した。既に10年以上の歴史があり、いろいろな船会社が世界で使用している。Thermo Kingの特長は、冷媒にR404aを使用している。これは冷凍に優れ、Magnum でマイナス35°C、Magnum Plusはマイナス40°C、SuperFreezerに至ってはマイナス60°Cを維持できる。既存のUnitメーカーはマイナス20°Cが冷却能力である。邦船社でのMagnum Plusの使用は7月に協和海運が15本Magnum PlusをTALより長期リースしたのが初めてである。マイナス35°~40°Cの強力冷凍維持能力はリーファーカーゴの集荷の幅を増やすことになると確信している。Magnum 及びMagnum Plusの汎用性の高さは今後の船会社の収益に大いに貢献するものと確信する。使用していただけるお客様に対して安心していただける支援体制をEFIとして取っていきたいと考えている。良い製品を必要としている人に届けることができれば幸いである。

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