日本企業はグローバル化にどう向き合うべきか、PCメーカーの現状とONEの可能性 / コンテナ市況レポート 2018年6月

  • by 中尾 治美

  6月6日付の日経に、シャープが、東芝のパソコン事業の子会社株、80.1%を40億円で買収の記事。また一社パソコン事業から日本メーカーが撤退した。東芝は世界で初めてのノートパソコンを1985年に“ダイナブック“のブランドで発売し、世界一のシェアを誇った時期もある。東芝は、一連の不祥事件で有望商品部門を切り売りし生き残りを図っている。シャープも巨額の赤字で経営危機に陥り、2年前に台湾の会社、鴻海に売却された。液晶テレビの”世界の亀山“ブランドも消滅、しかしその後、鴻海はシャープを約2年弱でV字回復させた。そのシャープも2010年、”メビウス“ブランドのパソコン事業から撤退した経緯がある。鴻海によるパソコン事業の再参入である。外資による日本ブランドの再生となるのか?他の日本PCメーカーはどうなったか?日立は2007年3月にヒューレット・パッカードと業務提携で自社のPC製造を中止した。NECも2011年7月に中国メーカー、レノボとの合弁会社にPC部門を分社化。世界のソニーはどうか?ソニーも2014年7月にPC部門をVAIO株式会社に移管し、実質的に撤退。有名ブランドとして残るのはPanasonicの”Let’s note”だけとなった。
  一方、国内携帯電話メーカーも国内市場を優先し、ガラパゴス化した結果、Appleのiphone、サムスンのSmart phoneに取って代わられ国内でシェアを落とし、撤退も時間の問題か?海外の携帯電話機を国内で使用できない規制も問題である。その規制が国内メーカーに海外に目を向けることをやめさせ、結局、高度な技術と優秀な人材を生かしきれない現状が見えてくる。中国、韓国、アジアのShow Windowで日本メーカーの携帯電話を見る事は皆無である。IT、IoTと叫ばれて久しいが、日本は強かったPCーHardwareの市場から撤退を余儀なくされたのが現実である。時代的な変革の可能性を持ったIT Networkの時代に、世界を席巻した自国PC製品が絡めないのは非常に残念である。
  日本企業の製品開発とマーケッティングに大きな乖離があるのでは?目先に囚われない、何十年か先を見据えた視点が必要であろう。良い製品だが売れない。何をもって良い製品と言うのか?それは使用する人にとって欲しい物でなければ意味がない。また使わない機能がたくさん付いていても宝の持ち腐れである。開発部門の自己満足が目的ではない。使わない機能は外してその分安くできる。年を取ってくるとできるだけシンプルなものが良い。いろいろなニーズがある。ターゲットを誰に合わせるか?対象は国内か世界か?大量のDataを活用すれば更に核心に近づくことができる。それが次のTargetである。そのDataは目の前にあり、活用しなかっただけである。必要なDataを如何に取り込み、それを組み合わせて本質を見極めるかを考えるとワクワクしてくる。

  Ocean Network Expressがスタートして3ケ月目に入る。この会社は100年以上の歴史がある日本の船会社3社の定航部門の統合会社である。運航船隊規模、240隻、運航規模約146万TEU、業界第6位、世界シェア7%を誇る。船会社は早くからグローバル化と向き合ってきた経緯がある。大きな利点は、精鋭ぞろいの3社の定航部門から選ばれた優秀な人たちの頭脳集団である。その上、100年以上の船会社としての長い信頼の実績と3社の定航部門の膨大な集積された貴重なDataを生かし、ゼロから出発ができる稀有な船会社である。従来のしがらみに囚われないユニークな会社になることは間違いない。Magenta色のコンテナ、船隊が早く世界を彩る時期が来ることを確信する。
  コンテナ製造価格は、$2,250 per 20f。5月末の新造コンテナ工場在庫は、970,000 TEUである。1月から5月までの新造コンテナは1.8 Million TEU製造され、年間製造本数が4Millionを超える勢いである。
  4月の世界のコンテナ荷動き量は13,076,967 TEU、前年同月比5.7%増、7カ月連続のプラス。5月のアジア主要10カ国・地域発米国向けコンテナ輸送実績は、前年同月比4.1%増、1,410,529 TEU, 15カ月連続で前年を上回った。1月から5月累計も、前年同期比6.7%増の6,435,355 TEUと過去最高になった。
  米中貿易摩擦の影響もあり中国の資源ごみ輸入規制で行き場を失った古紙、廃プラはタイ、ベトナム、マレーシアに向かったが深刻なターミナルの混雑、滞貨を招き、ホーチミンでは廃プラ貨物の受け入れを中止。廃プラは規制の緩やかなインドに流れを変えているとのこと。
  5月28日現在、待機船は85隻、205,929 TEU、全船腹量に占める割合は0.9%の低水準で推移している。一方、コンテナ船業界にとって3月までトン当たり370ドル前後で推移していた燃料油価格の4月からの高騰は業績回復の重石となる。
  燃料油価格の上昇は5月中旬に450ドルに急騰、2017年の同時期に比べ約100ドル高い。コンテナ船会社は、業界全体で年間約1億トンの燃料油を使用している。このままでいくと年間コストが総額100億ドル増加し、コンテナ船業界にとって更なる至難が続くことになる。

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