「令和」に向けて~EFI10年目までの軌跡 / トヨタの決断が意味するもの / 世界情勢から見る物流の動向 | コンテナ市況レポート 2019年4月

 今年の桜は4月に入って過去一番の寒さを記録するような天候なので横浜でも、まだその華やかさを残している。一方、桜吹雪と言われるように桜の花弁の散る様は何とも言われない光景である。人間の一生をそこに見るようである。5月1日から年号も令和と改まり、昭和、平成と生きてきた小生にとり時代変遷を否が応でも感じさせられる。
 小生は戦争を知らない世代である。小生の昭和は、日本が豊かになり間違いなく明るい希望に満ちた未来が来ることを肌で感じることができた時代である。父親は家族のために、戦後の困窮した生活から少しでも早く抜け出すために猛烈社員として一生懸命働いていた。その父親の背中を見て育った世代である。暮らしは楽ではなかったが、毎日が楽しく輝いていた。屈託のない笑いがそこにあった。日々豊になることが実感できた。今でも子供心にその時のわくわくした気持ちを思い出すことができる。1968年(昭和43年)日本はGDPで米国に次ぐ世界2番目の大国になった。
 1974年(昭和49年)から1977年(昭和52年)の間、アメリカに駐在する機会を得た。サンフランシスコ、シカゴと働く場所を変え、最後の一年は憧れのニューヨークのグランドセントラル駅の近くの本社ビルへ通った。毎日、束の大きい新聞を小脇に抱え、テイクアウトのコーヒーを片手に持って颯爽とグランドセントラル駅のエスカレーターを下りるのが日課であった。一方、日本の会社は果たして世界で活躍できる力があるのか、そんな疑問を持つ中、1983年(昭和58年)に外資コンテナリース会社で活躍できる機会を得た。
 1989年(昭和64年)に、昭和が終わり平成となった。2009年(平成21年)に外資リース会社を定年退職するまでの26年間は、小生にとって外資特有の気の抜けない緊張した毎日であった。そこでManagementを学ぶことができた。一方、邦外航定期船会社は6社から3社に減った。昨年4月、それもOcean Network Express (ONE), 1社になった。小生のコンテナリース会社勤務時代は、邦船の皆さんの暖かいご応援をもらい充実した生活を送ることができた。そのおかげで、その26年勤め上げたコンテナリース会社が今、規模的に世界一のコンテナリース会社に大きく成長した。その成長の原動力を担ったという自負がある。
 2010年(平成22年)起業し、今年で10年目である。平成の31年間は、仕事で海外に出る機会が多くなり、日本を世界から見ることで、改めて日本を意識した時代となった。起業したのも日本という国、日本人を強く意識した結果かもしれない。日本をもっと強くしたい。日本人は世界できっと何か貢献できると確信している。
 令和はどんな時代となるのだろうか?多くの若い人たちが明るい未来を描ける時代になってほしい。海外との仕事に長く携わってきて思うことは、世界は日本、日本人を必要としている。日本人がもっと自分に自信を持ち、若者の多くが世界に飛び出してほしいと強く望みたい。

  一つのビックリするニュースが飛び込んできた。トヨタが自社の儲け頭のHV(ハイブリット)特許を無償開放するという決断である。その英断に拍手を送りたい。世界の流れが一気に電気自動車に動き出そうとしている。しかし、その原動力である電気の大部分は、まだまだ化石燃料に頼っているのが現実である。完全にクリーンな電気を作り出すことができる時代まで、しばらく時間がかかる。その一つの過程においてHVエンジンを普及させるという事は、最良の選択であると考える。一方、トヨタは、大量データーを手に入れることができ。そして世界基準設定に絡むことができる。日本の携帯電話戦略を見たら自ずから結果が見えてくる。日本の携帯製造会社はガラパゴス化し、日本という小さな市場を独占しようとしたばかりに世界の市場を失ってしまつた。その上、スマートフォンの市場も失う結果となった。1億人対70億人である。その代償は大きい。日本の製造各社はこのことを戦略上、良く肝に銘じるべきである。

 Drewryによるとアジアから欧州、北米向けの運賃が強含みで推移しているとみている。これから夏場に向けて中国、アジアから増加が見込める。船会社にとって明るい材料である。米中貿易摩擦も小休止し、今まで中国から米国に向かっていた貨物がアジアに移動し米国に向かう動きがさらに活発化する。欧州もイギリスがEUからの離脱が10月末まで猶予されたことを受け、大きな混乱はしばらく避けられるが、物の流れは大きく変わることが予想される。それを反映して、コンテナ待機船復量が減少している。船会社は2020年1月からのIMOによる硫黄酸化物(Sox)規制の対応に追われている。
 中国の新造コンテナ価格は$1,820 per 20f。前月比$50 per 20 の値上がりである。3月末現在の中国の新造コンテナの工場残は、811,000TEU (Dry:774,600TEU, Reefer: 36,400TEU)。引き続きリース会社の投機的発注は盛んである。コンテナリース会社の発注の特徴として、Seacube, Seaco,  BeaconはReeferに特化している。その反対にFlorensはDryに絞っている。TextainerとTritonはDryとReefer両方、それなりの発注量を確保している。

 我社に4月に3名の新入社員が加わった。うち2人は若い24,25歳の社会経験少ない学卒の男女である。優秀な若者に出会えたことに感謝している。各自が持っている才能をできるだけ伸ばせるように鍛えていきたいと考えている。これで我社の平均年齢もかなり下がる。総勢21名の有能なスタッフとなった。今後が楽しみである。