2018年、コンテナ業界における中古コンテナ業者の役割と展望 / 2018年1月

  • by 中尾 治美

 新年、2018年が始まった。日本晴れの元旦、清々しく、遠くに富士山が見える。標高3776m。関東からであれば何処にいても、日本一高い山、富士山が見える。何と美しい山であることか?
 今年はどんな年になるのか?いやいや受け身ではいけない。少なくともこんな年にしたい。あんなこともやりたいと言う気概で生きていきたい。

 正月4日、米国株式市場のダウ工業株30種平均株価が初めて2万5000ドルを突破した。2008年9月のリーマン・ショック後、米国景気拡大は2009年6月から2017年12月まで102ヵ月続いている。一方、日経平均株価も、5日、2万3714円で終えた。2012年12月から景気拡大は続いている。世界株時価総額は過去最高の86兆5300億ドル(約9800兆円)、世界名目国内総生産(GDP)の78兆ドルの約110%の水準。これはすでに株高と考えられる。しかし、米税制改革法の成立。現行税率35%から21%への引き下げ。世界経済への後押しとなるため、少なくとも2018年の世界経済の勢いは続くと考えられる。
 2018年の世界の海運業界は、邦船3社の定航部門の集約会社、Ocean Network Express (ONE)が稼働する4月には大手7社で世界コンテナ船隊の82%を占めることになる。また、アジア・欧州航路は3つのアライアンス(2M+HMM, Ocean Alliance, The Alliance)が99%を占める。これが運賃の安定化をもたらし、海運会社の健全な成長を期待したい。

 現在の中国の新造コンテナの価格は、$2,350 per 20f。2017年12月末の新造コンテナの中国工場在庫は、約800,000TEU。船会社・リース会社が引き続き2018年のコンテナの需要を予測して、活発に発注をしたことがうかがえる。各リース会社は相変わらず高い稼働率を維持している。あるリース会社は99%の稼働率を記録し、デポにコンテナの在庫がほとんど見当たらない状態である。
 これでは中古コンテナ販売会社の商売は難しい。しかしコンテナ約10年サイクルで船会社、リース会社は入れ替える必要がある。必ずその中古コンテナを処分することが船会社、リース会社では必須である。その意味で中古コンテナ取扱業者は船会社、リース会社にとって必要である。リース会社は既に処分するコンテナの中古販売価格を想定して、帳簿上、その利益を乗せて処理している。販売価格は低いと利益が少なく、できるだけ高めに販売しようとする。我々中古コンテナ販売業者は、できるだけ期待に添うように中古コンテナの需要を広めるために日々努力している。現在、ISOコンテナを改造して店舗、家等にしようとすると、国土交通省から建築確認書を取る必要がある。コンテナ船、各港のコンテナヤードでの7段以上の段積みができるほど丈夫なISOコンテナについてそんなに厳しい建築確認書が必要であるか疑問である。もし日本でこの規制がなくなるとISOコンテナに対する民間の需要が爆発的に出てくる。特に震災の時に大いに役立つMagic Boxに変化するのである。お役所にISOコンテナがMagic Boxに代わることをもっと考えてほしいものである。

 EFインターナショナルは今年3月で丸9年目を迎える。7つの海外企業の代理店を引き受けいる。その一つ一つが少しずつ育ち、我々のビジネスの核になりだしていることは実に頼もしい限りである。その一つであるコンテナリース会社、UES Internationalが邦船3社の定航部門を今年の4月から引き受ける新会社、Ocean Network Express (ONE)の初めての長期リース、10,000x40f HCを昨年締結することに関わることができ大変うれしく思っている。一方、いろいろな上場・一流企業から新しい商売のお話をいただく機会が増えてきている。その中、我々のBusiness Partnerと組んで、船会社の何万本もの古いコンテナを取り扱う機会を得ることができたことは大きな進歩である。その経験と実績を生かし、2018年も真摯に挑戦をしていきたいと考えている。

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