インバウンドによる地方活性化/北米港での混乱/中小コンテナリース会社への期待 / コンテナ市況レポート 2019年2月 

              今年の中国旧正月は2月4日から10日の1週間である。今年の春運(1月21日から3月1日)に、中国では延べ30億人の大移動。その内、700万人が海外に出かける。日本は渡航先人気No. 1とのこと。そのせいか、何処へ行っても中国人と思われる若者、カップル、家族連れが大きなバックを引いて移動している光景を目にする。つくづくありがたいことだと感謝している。
             2018年の中国人訪日客は、838万人。訪日外国人が、3119万1900人なので、実に27%の人が中国の人だ。前年比13.9%増えたことになる。一方、日本で使った金額の総額は1兆2570万円とのこと。最近は我々が行ったこともないような地方都市に行く人たちが多いと聞く。良い思い出を沢山つくって帰ってほしいと切に望んでいる。日本に留学生の方もそうであるが、多くの外国人旅行者の方に日本に来ていただき、良き理解者となっていただければこんな強い味方はいない。マナーが悪いと言っていやな顔をしないで彼らの気持ちにもっと寄り添う必要があるのではないだろうか。これは国の政治的外交関係に比べてはるかに堅実で有効的な外交手段である。地方の村興し、町興のために、地方を活性化するために村、町で外国旅行者のNeedsを正確に把握しWin Winの関係を構築してもらいたいと考える。全てにおいてそうであると思うが今それをやる必要があると言う時期がある。今がその大切な時期であると考える。世界の目が日本に向いている時、我々も世界に目を向けそのNeedsを形にしたいものである。自国、相手国の理解をえて、相互の繁栄のヒントがその中にあると確信する。

              米国の2000億ドル(約22兆円)の中国製品に対する制裁関税の利率を10%から25%に引き上げる猶予期間が3月1日に迫っている。実施された場合、中国が1%、米国が0.4%のGDPがそれぞれ下がると予想する向きもある。中国の2018年10~12月の成長率は7~9月より0.1ポイント縮小。3期連続の減速とのこと。その結果、成長率は6.4%に落ち込んだ。中国経済減速に伴い、中国は粛々と国内景気対策を打っている。2兆5000億元(約40兆円)以上の景気対策である。減税に1.5兆元。鉄道投資が主であるが、インフラ投資に1兆1600億元。2008年のリーマンショック後に中国は“4兆元(約56兆円)”を打ち出して経済を押し上げ世界経済を救った経緯がある。今回も効果ある手を打つことができるのか? それでなくとも3月に英国がEUと合意の無い離脱をすることになれば世界経済を更なる混乱が待ち受けている。
              一方、船会社は今、米中貿易戦争の中で米国港湾のコンテナの滞留問題に直面している。その原因は、まず第一番目に米国への12月末までの駆け込み輸入、それが延期されたことによる3月1日前までの大量の輸入。中国サイドでは旧正月までの大量の駆け込み輸出。米国港湾でのコンテナの滞留による港湾での混乱が発生している。それは米国港湾地区でのシャシー不足とドライバー不足がそれに拍車をもたらしている。コンテナの引き取りの遅れ、コンテナ滞留が港湾スペース問題、港湾作業の混乱を引き起し、それが悪循環を起こしている。

              日刊カーゴによると2018年アジア主要10ケ国発米国向け東航荷動きは前年比7.8%増、1688万7028TEUで過去最高を記録。その内、中国発米国向けは、前年比8.1%増、1049万TEU。アジア発米国向け往航の60%を占める。復航は、中国の廃プラ、古紙などの輸入規制のために米国からの輸入に制限がかかり、2018年11月は往航100に対して復航は17である。通常、復航は平均40と理解しているのでその差はかなり大きいと言える。この現状は、米国からアジアへの空回送が増え、船会社のコスト増加を意味する。船会社のコンテナリース本数は高まっている。まだまだ増える傾向にあるとみる。リース会社から新造コンテナの長期リースでの調達は船会社も計画的に行っているため、計画無しに長期リースすることはない。その代わりMLAでの調達を優先させることになる。そうするとリース会社は売り手市場であるため、いろいろな条件を付けてくる。まずオーソドックスな条件は、中国出しの中国返し、いわゆるRound Trip Leaseである。その次は、Round Trip LeaseプラスPick up Chargeを要求する。さらにMinimum Dayを付ける場合もある。現在はすべての条件を要求されているようである。その意味で大手リース会社の稼働率が98~99%と言われているのも現実味がある。
             大手リース会社はほとんど右ならえしているのでこの条件を受ける以外にリースコンテナを手当てすることは難しい。コンテナリース会社、大手6位のリース会社でリースコンテナの80%以上を占める寡占化の現状ではなおさらである。但し、まだまだ小さなリース会社が頑張っているので、現状を打開するためにも小さなリース会社からリースする手もある。大手リース会社よりはるかに使いやすい条件での提供となるはずである。現状の売り手市場でも、リースコストはかなり安く手当てすることが出来る。一方、小さなリース会社を使用することで、大手リース会社に対して牽制にもなる。船会社として十分再考する余地はあると考える。

              1月末の新造コンテナ価格は$1,750 per 20f。新造コンテナの工場残は、806,840 TEU (Dry: 771,980 TEU, Reefer; 34,860)。新造価格は前月と変わらず。工場在庫はDry, Reeferともに前の月から若干増加。全中国コンテナメーカーの44生産Lineの内、無期限に製造Stopが5Line。今年1月からの旧正月の間、製造を休むのが8Line。ほとんどが2月一杯休止。最長で3月半ばまでのところもある。コンテナ生産量は2016年2 Million TEUから2018年4.2 Million TEUと2倍以上に増えた。目覚ましい回復である。但し、現状の世界経済動向を見る限り、今年は中国メーカーにとってかなり難しい年になるようである。