沖縄でThermo Kingセミナー開催 / 米中摩擦による製造業の低迷 / 鉄鋼メーカーの業績悪化 / 船社の運賃値下げによる影響 / 年末のご挨拶 | コンテナ市況レポート 2019年12月

  • by 中尾 治美

 12月2日(月)、3日(火)両日、沖縄、那覇で念願の夢であったThermo Kingの製品、Magnum Plus, Super Freezer, Generatorのセミナーを開催した。3日は琉球海運さんグループの方に出席いただき、午前座学、午後は以前購入していただいたマイナス60℃まで冷えるSuper Freezerを稼働させながら参加者に見てもらった。両日のセミナーは大成功でThermo Kingから講師として出席して頂いた技術部門のHorece Lao氏も喜んでいた。
 タイミングを同じくして琉球海運さんに今回大きな数のMagnum Plusを購入していただいた。その英断と見識の高さに感謝している。日本内航船社の先頭を琉球海運さんは走っているように思う。沖縄の地理的な有利さを考えると日本の将来を背負っていると考える。沖縄はシンガポールになり得る。沖縄の発展を見守っていきたい。

 12月15日が米国が中国に対してスマートフォン等の1600億ドル分の中国製品に対して15%の追加関税をかける期限である。実施となると中国からの全製品に追加関税がかかる。また、トランプ大統領はブラジル、アルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニュウムに追加関税をかけると表明。一方、米国はフランスのデジタルサービス税は米国のIT企業を差別しているとして63品の仏製品、24億ドルに対して100%の制裁関税を検討している。
 米中摩擦の結果、世界の製造業の業績が勢いを失っている。GMは米国内の3工場の閉鎖。世界で7工場の閉鎖と14,000人の削減をする。フォード12,000人、日産12,500人、ファルクスワーゲン8000人の削減で合理化を図る。
 米国の11月雇用統計によると非農業部門の就業者数は26.6万人で18.5万人の予想を大きく上回った。失業率、3.5%。時間給賃金$28.29。前年比は1月から11月まで3.0%を維持。個人消費の堅調な持続を裏付けている。

 米国小売協会はコンテナの小売業者向けの荷動きを発表した。2020年1月前年同月比1.2%減、187万TEU, 2月は0.3%減、162万TEU、3月は旧正月の反動増で184万TEUと見込む。米中貿易摩擦で米国の輸入は緩やかに減速すると見ている。
 一方、世界鉄鋼協会によると世界64カ国・地域の10月の粗鋼生産は、前年同月比2.8%減の1億5149万トンで2ヶ月連続のマイナス。そのため鉄鋼メーカーは減産、設備の休止で生産調整し始めている。中国鉄鋼メーカーの業績も悪化している。宝山鋼鉄が中国6位の首鋼集団への出資などで業界再編を進めている。しかし中国沿岸部で生産能力を高めた鉄鋼製造設備が2020年に稼働を予定しているので、鉄の値段は中国の動向次第である。

 船会社の船腹削減措置にもかかわらず、一部船社が、欧州航路、北米航路とも消席率90%以上を維持するために運賃値下げに走ったために、スポット運賃の下落をもたらす結果となった。船会社の営業には、船のスペースを埋めることより、コンテナ運賃を上げる、維持することに力を注いでほしいものである。それが各船会社の収益改善の早道である。
 待機船は11月25日時点、132万4168TEU。今年最高の記録となった。スクラバー工事による待機船は83隻、83万9130TEUで待機船全体の63%を占めるためである。

 中国新造コンテナ価格は、先月から$60 per 20f 、3.6%下がり、$1620 per 20fと引き続き弱含みである。中国工場在庫は915,318TEU(Dry: 915,256 TEU, Reefer 60,066 TEU)。全体で前月より4.2%減。
 コンテナリース会社の稼働率も下げ圧力がかかり、多くのリース会社が中国を始めデポ在庫を増やしている。

 EFインターナショナルは来年で11年目に入ります。 8つの海外会社の代理店を扱い、その一つ一つが大きく成長してきております。精鋭スタッフ20名を数え。売上も今年は昨年の2倍を達成することができました。これも応援して頂いているお客様のお陰であると深く感謝しております。更にお客様の期待に応えるべく、また2020年もコンテナプロ集団として切磋琢磨して挑戦していきたいと心新たにしております。引き続き皆様のご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 来年も皆様に取りまして良いお年であるように切に祈っております。

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