新型コロナウイルスへの対応と経済対策 / コンテナ滞留問題 / 人類ファースト | コンテナ市況レポート 2020年4月

             3月24日、正式に東京オリンピック・パラリンピックの開催が1年延期と決まった。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的蔓延(パンデミック)の現状を考慮すると当然である。一方、中止か延期かの論議も有ったが延期で正解である。それはオリンピック・パラリンピック開催が人類にもたらす心理的高揚効果は絶大である。5大陸の人々がオリンピック憲章の下、スポーツを通じて相互理解を深め、世界平和に貢献する。世界的規模のスポーツ競技の開催と民族の交流は必要である。

NHKのWeb Newsの4月8日(水)午前8時時点の新型コロナウイルスに関する世界最新情報によると;

              世界の感染者数                           1,282,931

              死者                                                72,774

              感染が確認された国と地域                  213

 

              新型コロナウイルスの死者数が1万人を上回った国は、イタリア、スペインそして米国。米国は4月6日に1万人を超えた。新型コロナウイルスに罹った海外著名人も多数、英国チャールズ皇太子、英国首相、フランスの文科相、スペイン第二副首相、カナダ首相妻、ブラジル大統領、映画俳優トム・ハンクス夫妻、欧州有名サッカー選手等々が報告されている。誰でも罹る可能性が有る。また、英国首相、ボリス・ジョンソン氏は4月6日症状悪化で集中治療室に移された。日本では人気の高いコメディアン志村けん氏が3月19日発熱、20日入院、23日にコロナウイルスと診断された。自力呼吸が困難な場合使用する体外式膜型人工肺(ECMO)を使用したが、一週間後の29日死亡。多くの日本人が新型コロナウイルス対してあらためて恐怖を覚えたのではないか。また罹ってから死亡に至る速さに驚いたことであろうことは間違い無い。

              米国、欧州各国は早い段階から人の移動を罰金・罰則で規制した。その徹底ぶりには舌をまく。日本は対処法が遅い、甘いと言われるくらい悠長に構えていた。やっと4月7日に7都市に緊急事態宣言が出された。しかし1ヶ月間の要請で拘束力がない。あくまで自粛規制である。果たして、どこまで国民が緊急事態の深刻さを受け止めてくれるか?それまでは咳熱の症状がある人を優先的に検査し、陽性反応がでるとその人の行動経路を追い、関わる人を隔離することで封じ込める方法をとっていた。しかし次第に感染経路を追えなくなって来た。実は多くの潜在的コロナウイルスに罹っている無自覚感染者(キャリアー)が動き回ってコロナウイルスを撒き散らしてきたのが現実である。

              短期間に欧米での感染者が一気に増えたのも驚かされるが、行政・国民のコロナウイルスに対する果敢で協力的な取り組みには感心する。結果として欧米は一時的に感染者が増えても、収束するのも早いのではないかと思う。基本的に日本人は、風邪、インフルエンザ流行時マスクを着用する。それは風邪・インフルエンザを人に移し、移されないようにするためと考える。一方、欧米ではマスクを着用する習慣がない。そのため無自覚感染者(キャリアー)が多くの人に移す可能性が高くなるのではないか?それは握手、頬寄、ハグをする挨拶習慣が感染を高めているように思う。また議論好きということもあると思う。一方、日本では手洗い、うがいの習慣が根付いている。また、かなり神経質的に抗菌性Goodsにこだわり、人・物に直接接触を避ける傾向がある。あくまで個人判断に任せられるため、日本では新型コロナウイルスの流行は長引くと考える。緊急事態宣言は一応社会的精神的拘束を与えるが、それに頓着しない人がいることは否定できない。その結果、日本の感染者数はこれからダラダラと長引くことが考えられる。

米労働省が3日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の就業者数は前月比70万1000人減少した。就業者数の減少は2010年9月以来、9年半ぶりである。失業率は4.4%と前月比から0.9ポイント悪化した。一節には、雇用統計の発表の後、失業保険の新規申請が1000万件発生し、4月の失業率は10%になると見られている。

              米国は、3月27日新型コロナウイルス対策で2兆ドルの経済対策法案を成立させた。5000億ドルを業界支援、5000億ドルを各家庭の直接給付金。3500億ドルが零細企業への融資、2500億ドルを失業者支援の強化。1000億ドルを病院、医療体制に支出される。通常の経済状態に戻るのもそんなに遠くないと思う。

              船会社はコンテナ滞留問題で悩んでいる。中国の新型コロナウイルスからの回復に備えて欧米の余剰コンテナを中国・アジア回送したくても減便のために思うように持ち込めない。一方、欧米の港に揚がった実入りコンテナが景気悪化で思うように引き取られず、空コンテナと相まってターミナル、オフドックに滞留している現状にぶつかっている。港湾労働者、トラック業者も新型コロナウイルスの影響を受け、人手不足に陥っている。中国・アジアも経済不振で悪の経済スパイラル状態に有り、まだまだサプライチェーンが完全に復旧されていないため当面コンテナの早急な需要は期待できない。

              中国の3月末の新造コンテナ価格は$2050 per 20fで2月と変わりない。新造コンテナの工場在庫は895,721TEU(Dry: 854,996TEU, Reefer: 40,725TEU)。全体数は2月末現在とほとんど変わりがない。敢えて言えば、Dryが変わらず、Reeferが5000TEU減ったのが目立つ。

              今、各国が新薬開発に血眼になっている。日本の製薬会社がインフルエンザ薬用として開発した“アビガン”がこの新型コロナウイルスに有効と言われている。中国で製造しているので中国科学技術省も治療効果が認めて推薦している。その薬を日本が世界に提供するという話が有る。是非そうしてもらいたい。新薬開発には膨大な費用が掛かるが、この新型コロナウイルスによる世界が受ける最悪のシナリオは1500万人が亡くなり、世界GDP損失は2兆4000億ドルに上ると見る。その最悪のシナリオを避けるために今、世界は一つになって一刻も早く新型コロナウイルスを封じ込めることが先決であり、今は自国優先では無く人類優先であるべきである。そして世界の国ができるだけ早く元の正常な生活を取り戻すことができるように祈りたい。