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総勢8名で挑んだIntermodal Europe、驚きと成長のバルセロナ滞在記

10月21日から23日にスペイン・バルセロナで開催されたIntermodal Europe 2025 に参加してきました。私を含め総勢8名での参加でしたので、会場での移動も大いに目立ったことと思います。通常1~2名が殆どで多くても4名くらいだと思います。多くの若手社員に貴重な経験をしてもらいたいと考え、毎年大所帯で参加しています。そのため、多くの参加者から驚きの言葉を得ています。元日本郵船社員でロンドン駐在時に何度かバルセロナを訪れたことがある徳山取締役に案内役をお願いしまた。そのおかげで、滞在期間中、無事にスケジュールを終えることができました。彼以外、誰も来た事が無いバルセロナです。どこに行くにも地下鉄を利用しましたので、乗り換駅の確認、イベント、夜のレストラン等8人分の予約の手配は大変なものだったと思います。
エールフランス航空、羽田発朝11時45分、パリ乗り換え、1時間半内での乗り継ぎターミナルへの移動、バルセロナ到着は現地時間夜の10時40分、空港バスでホテルの近くまで行き、そこから7~8分の徒歩移動でホテルに到着、チェックインをすませ部屋に入ると翌日の0時を回っていました。シャワーを浴び就寝は2時、1時間半毎に目覚め、7時30分に食堂に行くと、社員は、既に、食事を終え、部屋に戻るところでした。皆さんの顔に笑みが溢れ、元気な社員にビックリでした。

Intermodal 会場で多くの人との面談に臨み、若い社員はじめ、皆さんのプロ意識を再認識し、想像以上に社員が力強く成長しているのを感じて嬉しく思いました。世話役の徳山さんは、出張中、いつも通りに毎朝1時間ほどのランニングをこなしていました。その鉄人生活に驚きです。
パルセロナの空は遠くまで澄んだ青色で印象的でした。人々は素朴で大柄な人が多く、特に女性はあまりお化粧もせず、着るものにも頓着しているようには見受けられませんでした。それでいて優しく、私が地下鉄で立っていると、若い女性が私の手を軽く触って、向かい側の席が空いたのを教えてくれました。
バルセロナの地下鉄の歴史は古く、1924年に導入され、今では160以上の駅がある便利な街です。車両は新しく日本とあまり変わりませんが、駅のエスカレーターが古く、頑丈ですが、きしんだ音を立てて動いています。乗り換えの駅の複雑さと移動距離には閉口しました。また、バルセロナはフランスに近いだけに町並みは古く、フランス風で、人々も店先のテーブル席で、寒くても風が吹いていても、談笑しているのが印象的でした。この時期のホテル代は通常の3倍に値上がりしているとのことでした。我々が泊まったホテルも日本のビジネスホテルと同じような狭いスペースでした。日本のお風呂とWashlet付きのトイレが恋しかったです。
世界が評価する「高市外交」、日本再起の新しい兆し
一方、10月21日(火)、日本で初めての女性首相の誕生に立会えなくて非常に残念でした。その日に総辞職した石破内閣で自民党は変わることが出来ませんでした。公明党が与党から野党に離反したので、高市総裁の自民党は少数与党となりましたが、日本維新の会と組んで組閣することができました。
媚びない高市氏が男性至上主義の国会で首相に上り詰めるには、彼女の運だけでなく、彼女の政治手腕を認めざるを得ません。高市首相は、来日中のトランプ米大統領と、都内から、大統領専用ヘリコプターで、横須賀の米軍基地に停泊している原子力空母ジョージ・ワシントンに乗艦し、トランプ米大統領の後、米兵に向かって演説をした初めての日本首相、それも女性首相です。10月31日~11月2日に韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加した中国の習近平首相と友好的に会談を終えました。韓国の李在明大統領とも友好的な関係を築くことができました。またAPEC参加首脳からも高市首相の積極的な外交姿勢が評価され、日本の新しいリーダーとして注目と期待を集めたことは言うまでもありません。
世界は大きく変わろうとしています。その中で日本が果たす役割は大きいと思います。その意味で、日本で初めての女性首相、高市早苗氏を超党派で応援することが、今、多くの政治家、国民に課されている使命であると思います。日本は、女性の地位が、外国人が考えている程、決して低い国ではないことを知ってもらう良い機会であると思います!
厳しい市況下で光る、ONEが示すコンテナ船会社の未来像

Ocean Network Express (邦船3社のコンテナ船事業統合会社)が11月4日に2025年4月~9月期(第2四半期)の業績を発表しました。税引き後利益、前年同月比86%減、2億8500万ドル(約440億円)となりました。上期、2025年4~9月期決算は、税引き後利益が前年同期比87%減、3億7100万ドルです。下期(2025年10月~2026年3月)の税引き後損益は6100万ドルの赤字を予想するも、通期(2025年4月~2026年3月)の税引き後利益は3億1000万ドルと黒字を予想しています。よく頑張っていると思います。
米関税措置の不確実性、新造船竣工による過剰船腹問題、地政学的な不安定さ等々、色々な問題を抱えていますが、基本的に世界的に構築されたサプライチェーン需要及びその成長の速さを見逃すことは出来ません。その上、今後の各国の景気浮揚策及び世界の物流量を考えた時、それに伴う配船の柔軟性が基幹コンテナ船社に要求されています。その点、ONEはコンテナサービスに特化した定期船会社です。9月末現在の運航船隊は271隻、209万228 TEU、及び発注船舶残51隻を所有し、荷主のあらゆる要求に応えることができる世界的ネットワークを持つ数少ないコンテナ定期船会社です。
需給バランス悪化でコンテナ運賃下落予測
| コンテナ船運賃指標(WCI) 2025年10月30日 ※Drewryより参照 | |||
| 航路名 | ドル/FEU | 前週比 | 前年比 |
| 総合指数 | 1,822 | 4% | -43% |
| 上海/ロッテルダム | 1,795 | 3% | -47% |
| 上海/ロサンゼルス | 2,438 | 6% | -50% |
| 上海/ニューヨーク | 3,568 | 4% | -32% |
Drewryは、11月1日の一括運賃値上げ(GRI)で、今週のスポット運賃の小幅上昇を予測していますが、今後、数四半期に需給バランスは悪化し、スポット運賃が下落すると予測しています。
投資ファンド主導のコンテナリース会社第2次拡大期到来!

米投資ファンド大手、KKRが海上コンテナリース事業に参入する情報を日本海事新聞が10月27日に報じています。名前は“Galaxy Container Solutions”で、新会社に5億ドル(約770億円)提供するとしています。GalaxyのCEO、ジェフリー・ギャノン氏、COOのエイドリアン・ダナー氏は、Global Container International (GCI) の共同創業者です。両者は、2018年に米国ボストンでGCIを設立、7年間で50万TEU規模の会社に成長させました。今年3月、Tritonにその会社を10億ドルで売却し、その両者が同じ肩書で、KKRから資金を提供してもらい、新しいリース会社 Galaxy Container Solutions を設立したものです。
要は、リース会社を設立し、5~7年ぐらいで、50万TEUの規模にして、その会社を売却して儲けるやり方です。1980年代、リース会社が30社ほど乱立していました。その当時、ほとんどの経営者は会社をある程度の規模にして大手リース会社に売却して儲ける式の流れがありました。結果、多くのコンテナリース会社がM&Aでその数を減らしました。TextainerはM&Aで大きくなった会社です。また、経営者の中でその当時同じようなやり方をして儲けた経営者がいました。イワン・カラン氏は、1980年代に Capital Lease を設立し、1993年に売却後、1996年に再度 Capital Lease を設立、フリート約50万TEU規模に拡大後、2000年代初めにドイツ投資銀行DVBバンク系ファンドに売却し巨万の富を築いた方です。また、GEは1970年代後半から金融部門の強みを生かし、GE Capital の名前で、飛ぶ鳥を落とす勢いで、海上コンテナリース業界に参入してきました。1990年代後半に英国Sea Containersと合弁会社、GE SeaCo を設立し、自社コンテナリース部門を更に強化しました。しかし、その GE Capital もその巨大化した組織が2008年の金融危機で大きな損失を被り、2011年8月、GE SeaCo を、中国の海南航空を傘下に持つHNAグループに10億4870万ドルで売却し、コンテナリースから退きました。しかし、その時のリース会社幹部が、2012年Gateway Leasingを設立し、またコンテナリース業界に再参入してきましたが、2020年初め、保持していた約30万TEUをTextainerに売却しました。
2023年9月に業界最大のフリート数720万TEUを保有するTritonが投資ファンド、Brookfield Infrastructure Partners LP.に133億ドルで買収され、2024年初めに業界2位の約400万TEU規模のTextainerが投資ファンド、Stonepeak Infrastructure Partnersに74億ドルで買収されました。1970~2000年代はコンテンリース会社同士のM&Aが主役でしたが、2010年以降は世界的大手ファンド会社による買収が活発となりました。現在はコンテナリース会社の第2次拡大期と言えそうです。これもコンテナリース産業が魅力的な成長産業と認められたということに違いありません。
コンテナ産業は今後、格段に飛躍する産業であることは間違いありません。100年産業と言っても過言ではありません。その上、コンテナリース会社の規模が大きければ大きいほど収益が上がるということが言えるようです。そのコンテンリース会社が今後どのような発展をするか非常に興味が尽きません。
2025年11月の新造コンテナ情報~国慶節の影響鮮明
10月の新造コンテナ価格は、$1600 per 20fでした。9月より$50値下がりとなりました。鋼材と塗料がそれぞれ3~5%値下がりしたに結果です。新造コンテナ生産総数は、396,656 TEU(Dry: 356,519 TEU, Reefer: 40,137 TEU)でした。9月との比較でみると、総数、-188,185 TEU(Dry: -185,564 TEU, Reefer: -2,621 TEU)、比率では、-32%(Dry: -34%、Reefer: -6%)となりました。10月の新造コンテナ工場在庫数、総数 1,667,591 TEU((Dry: 1,606,610 TEU, Reefer: 60,981 TEU)でした。9月との比較は、総数 -35,565 TEU(Dry: -41,541 TEU, Reefer: + 5,976 TEU)でした。比率でみてみますと、総数 -2%(Dry: 2.5 %, Reefer: +11%)となりました。
10月の工場出荷本数は、総数 432,221 TEU(Dry: 398,060 TEU, Reefer: 34,161 TEU)でした。先月に比較し、総数 187,241 TEU減(Dry: 29,937 TEU減、Reefer: 13,298 TEU 減)となり、比率では、総数 -30%(Dry: -9%, Reefer: -28%)でした。国慶節の1週間の休暇と前倒し輸出増加の反動が大きいと言えます。
日本人選手のMLB快進撃が示す、日本発グローバルスタンダード

蛇足ですが、米国で行われたMajor League Baseball の World Series で優勝確率0%のLos Angeles DodgersがToronto Blue Jaysを見事4勝3敗で打ち破り、2年連続9度目のWorld Series制覇を成し遂げました。MVPを山本由伸投手が獲得、ひ弱に見えた佐々木朗希投手が救援投手として大活躍し、投打二刀流の大谷翔平選手も年間MVP候補に挙がっています。もし大谷翔平選手が2025年もMVPを獲得すると、2021年、2023年、2024年に続き4度目の受賞になります。大いに期待したいと思います。多くの日本選手が活躍するMajor League Baseball を誰が想像できたでしょうか?日本人の活躍の場が世界中に有ることを多くの若者に認識してほしいと思います。

