- ホーム
- コンテナ市況レポート
- 「スエズ運河再開が招くハブ港混雑と10~14日短縮のジレンマ」「新SOLASが突き付ける安全管理の現実」他~2026年1月
「スエズ運河再開が招くハブ港混雑と10~14日短縮のジレンマ」「新SOLASが突き付ける安全管理の現実」他~2026年1月
目次
25年で3,360万TEU増、海運トップ交代が示すコンテナ新時代

年のはじめのレポートは、2025年がコンテナ船社にとり、どのような年であったのか?それと2026年はどのような年になるのか見てみたいと思います。
Alphaliner(仏)のコンテナ船業界25年(2000~2025年)回顧をShipping Guideが記事にしていますので紹介します。過去25年間に世界のコンテナ船は3,360万TEUに拡大しました。その要因として、世界人口の急速な増加、マルチモーダルサプライチェーンとジャストインタイム配送拡大、中国のWTO加盟による生産拠点としての成長が東西航路の輸送量の大幅な増加をもたらしました。船会社の統廃合で寡占状態が大きく進みました。船腹量上位10社が運航船腹を2000代初頭の61%から84%に拡大させました。
Alphalinerは大きな変化として、1)コンテナ船の大型化、2)船腹量首位船社の交代、3)最大コンテナ取扱港の地位の転換、4)人口の増加、5)コンテナフリートの大幅増の5点を挙げています。確かに、2000年初めはMaerskの8,200TEU型が最大でした。現在、MSCの24,346TEU型が最大となり、約3倍に大型化しています。一方、2000年初めはMaerskの運航船隻数・船腹量は170隻・69万4,054TEUでしたが、今ではMSCが首位となり、968隻・709万9,313TEUを運航しています。また、2000年当時、コンテナ取扱港首位の香港の年間処理能力は1,810万TEUで最大でしたが、現在では上海港が最大の処理能力、5,590万TEUを誇っています。シンガポール港は2000年と変わらず現在も世界第2位の処理能力を維持しています。この間に世界人口は34%増加、61億5,000万人から82億3,000万人に増加しています。コンテナフリートの増加は、コンテナを一つずつ貨車に乗せた場合の全長は、2000年の3万6,070kmから、今日では26万8,787kmに増加していると指摘しています。
世界港湾取扱量10億TEU突破と成長率5%超が映すグローバル物流の熱量
これもShipping Guideからの引用記事です。シンガポールを拠点とする海運市場調査会社、Linerlyticaの最新レポートによると、世界の港湾コンテナ取扱量は2025年に10億TEUを突破し、過去最高を更新する見通しとのことです。米国トランプ政権による関税政策にも関わらず、2025年下半期(7~12月)もコンテナ取扱量の拡大が続くことから、世界のコンテナ取扱量は2025年の年間で初めて10億TEUを超えると予想しています。年間の成長率は5.1%を上回る見込みで、米国以外の中国向けコンテナ輸出が堅調に推移していることが牽引役になると分析しています。欧州、中南米、アフリカ、インド・中東向け輸出が全て好調に推移する一方、米中貿易紛争も東南アジアにおける強いコンテナ取扱量の増加を後押ししました。2026年の成長率は、貨物需要の勢いが鈍化する中での世界的な需要の不均衡により、2.1%に減速すると予想しています。
スエズ運河再開が招くハブ港混雑と10~14日短縮のジレンマ

スエズ運河庁は12月23日、CMA-CGMの超大型コンテナ船(2万3,112TEU)がスエズ運河を通行したと発表しました。過去2年間でスエズ運河を通行した最大型コンテナ船です。スエズ運河庁は他の船会社に対してもスエズ運河への回帰を求めていますので、2026年のスエズ運河の通航隻数については、徐々に回復し、年後半には通常の水準に戻ると予想しています。
一方、Maerskは12月19日、6,500TEU型コンテナ船をバブ・エル・マンデブ海峡を通過させ、紅海を航行しましたが、スエズ運河通航再開には至っていません。
シンガポールのターミナルオペレーター、PSA Internationalは大手コンテナ船社のスエズ運河通航再開機運が高まっていることを受け、今年前半までに段階的にアジア/欧州航路で喜望峰への迂回から、紅海・スエズ運河経由の航路を段階的に再開すると予測しています。また、通航再開が進むとトランジットタイムは10~14日短縮されるため、余剰船舶、余剰コンテナ問題の顕在化により、長期的に運賃が下がる見込みとしています。但し、航路変更に伴うスケジュール調整によりシンガポール港などの主要ハブ港での短期的な寄港増加により、寄港船の沖待ちによる混雑が発生すると予測しています。そのハブ港での混雑、人出不足が余剰船、余剰コンテナの段階的解消を手助けする一つの要因になると見ています。また、その対応策としてシンガポール港の拡大やAIを活用した効率化、顧客との連携強化に取り組むとしています。
コロナ禍の2021年の秋にロサンゼルス/ロングビーチ港の沖合で60~80隻規模の待機船が発生し、平均待機日数が6~8日まで伸び、2022年初頭には116隻のコンテナ船が港内外で滞留したことを思い出します。
海へ消えたコンテナ576本 新SOLASが突き付ける安全管理の現実
国際海事機関(IMO)は2024年5月、海上における人命のための国際条約(SOLAS条約)の航行の安全規定を改定し、2026年1月1日からコンテナを1本以上積載した船舶は、コンテナの海への流出を確認した場合、船長にその状況を最寄りの沿岸国などに速やかに報告することを義務づける規定が発効しました。
国際定期船業界を代表する業界団体である世界海運協議会(WSC)がまとめた、2024年の船舶から海へのコンテナ流出本数は576本で前年比プラスになりました。喜望峰経由での運航が増える中、同海域での流出本数は約200本、全体の35%を占めています。
世界コンテナ運賃WCI2,213ドル 4週連続上昇と前年比72%安
Drewryが12月25日の最新コンテナ船運賃指数を発表しました。
| コンテナ船運賃指標(WCI) 2025年12月25日 ※Drewryより参照 | |||
| 航路名 | 運賃(ドル/FEU) | 前週比 | 前年比 |
| 総合指数 | 2,213 | 1% | -72% |
| 上海/ロッテルダム | 2,584 | 2% | -86% |
| 上海/ロサンゼルス | 2,481 | 0% | -81% |
| 上海/ニューヨーク | 3,302 | 0% | -57% |
Drewryが12月25日に発表したコンテナ船運賃指標(WCI)の総合指標は前週比1%増の$2,213 per FEUで、4週連続の上昇となりました。一方、前年比マイナス72%でした。各航路別の運賃水準及び前週比、前年比は表を参照願います。Drewryは今週も小幅な運賃上昇を見込み、太平洋航路は安定すると予想しています。
コンテナリース再編の波紋 Seaco買収とTriton人員削減が示す現場
12月15日付けでSeacoからメールが届きました。それはSeacoが正式にTextainerのM&Aを受けるという連絡でした。しかし当面は別々に従来通り営業するとのことです。一方、悲しいニュースもあります。Tritonの日本事務所の人員削減のお話です。5名のスタッフの内、女性3名が12月末2週間前の通知で解雇となったことです。これが外資会社の実態ですかね?中古コンテナ販売を担っていましたが、ネットをもっと使い彼女たちがやっていた仕事を完結するようです。
2025年11月の新造コンテナ情報~Reefer投資が急加速
12月の新造コンテナ価格は、$1,550 per 20fで、先月と同じ価格でした。生産総数は、534,479 TEU (Dry: 482,967 TEU, Reefer: 51,512 TEU)でした。先月と比較でみると、総数88,897 TEU増(Dry: 79,707 TEU増, Reefer: 9,190 TEU増)となりました。比率では、総数 20%増(Dry: 20%増, Reefer: 22%増)でした。12月の新造コンテナ工場在庫総数は1,663,105 TEU (Dry: 1,599,399 TEU, Reefer: 63,706 TEU)です。11月との比較は、総数 16,117 TEU減(Dry: 5,898 TEU減, Reefer: 10,219 TEU減)です。比率は総数1%減 (Dry: ±0, Reefer: 14%減)です。
12月の工場出荷総数 550,596 TEU(Dry: 488,865 TEU, Reefer: 61,731 TEU)です。11月との比較は、総数 116,645 TEU増(Dry: 84,292 TEU増, Reefer: 32,353 TEU増)で、前月比、総数27%増(Dry: 21%増, Reefer: 110%増)でした。新造コンテナ価格は鋼材の値上がりを、床材・塗料の値下りが相殺した結果となり、先月と同じでした。出荷総数は55万TEU越えとなり、12月出荷量としてはかなりの数となりました。
2025年の新造価格は1月の$1,900 per 20fから12月の$1,550 per 20fとなり、年間を通して$300、16%の値下がりとなりました。平均新造価格は$1,680 per 20fです。2025年の年間生産総数は、6,414,000 TEUとなり、内訳はDry: 5,958,000 TEU, Reefer: 456,000 TEUでした。この生産総数は、過去10年間で第三番目に高い生産量となりました。またReeferの2025年の生産総数、456,000 TEUは過去10年間で一番生産量が多い年となりました。船会社、リース会社の投資が、Reeferに比重を置いているようです。古いReeferの代替が中心だと思いますが、船会社にとっては新造大型コンテナ船のReefer slot増加及びReefer cargo増加を見込んでの発注と考えられます。
映画『国宝』に学ぶ プロフェッショナルが成果を出す条件

12月31日(水)大晦日、朝10時から今話題になっている映画、”国宝“を見ました。6月6日(金)に既に封切りされ、既に6か月以上が経っているにも関わらず、最前列3列しか空いておらず、不承不承右側3列目から斜に構えながら見ることになりました。最初は、慣れない席に違和感を覚えていましたが、直ぐに物語の展開、映像美、音響効果で映画に引き込まれていきました。芸を極めるために徹底的に追及していく姿は、我々人生、仕事に通じるものがあります。生き方、努力、執念、諦め、裏切り、出会い、別れ、悲しみなど多くのものに共感するものがあります。私自身の生きざまと重ね合わせ、涙がとめどなく溢れ出してきて、ハンカチが離せませんでした。歳のせいかも知れません。
50年の歳月が歌舞伎役者を国宝に導くまでの物語です。血筋を重んじる歌舞伎界の部外者、主役が歌舞伎で国宝に至るまでの芸を極めていく物語です。
歌舞伎は出雲阿国と言う女性芸能者の踊りから始まりました。最初は女歌舞伎が中心でしたが、江戸初期に風紀を乱すという理由で女歌舞伎が禁止され、男が女役を演じる”女形“が誕生、歌舞伎役者の伝統として継承されて現在に至っています。
大晦日に見た“国宝”には、お陰様で特別企画が用意されていました。何と、李相日監督、主役の吉沢亮、横浜流星らの出演者が歌舞伎座に登壇、“国宝”を上映している映画館356館に生配信してくれたのです。美男二人が女形を演じ、お化粧をして着物を着ると、正直言って、どちらがどちらかわからなくなりました。李監督が吉沢亮の美しさと虚しさを併せ持つ妖艶な存在が“国宝”が出来るべきしてできたと証言していました。確かに観客の多くが若い女性でした。歌舞伎人気に火が付くこと間違いないですね!しかし男が演じる女の魔性は美男子だけのものではないと思います。大衆演劇“梅沢劇団”のスター、下町の玉三郎こと、梅沢冨美男氏が演じる妖艶な女性は言葉に尽くせない魅力があります。一つのことを魅力あるものに創り上げるのは簡単な事ではないことを知る必要があります。仕事に集中し、それをどのくらい極められるか?まだまだ挑戦したいとと考えております。
株式会社EFインターナショナル
代表取締役 中尾治美
関連記事