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【市況レポート】「戦火のホルムズ海峡閉鎖長期化がもたらす世界的危機!」他~2026年3月
戦火のホルムズ海峡閉鎖長期化がもたらす世界的危機!
目次

2月28日、米国とイスラエルがイランを攻撃したというビックリするニュースが飛び込んできました。その攻撃でイラン最高指導者、ハメネイ師殺害が確認されました。その後、イランは米軍基地がある湾岸アラブ全域に弾道ミサイル・ドローンで報復攻撃し、戦火が拡大しています。ホルムズ海峡は、世界の石油輸送の約2割を占めます。
イランはそのホルムズ海峡を封鎖しました。3月2日までに商船3隻が攻撃を受け、船員の死傷者が出ました。その為ホルムズ海峡を通過できず、3月8日現在、130隻以上のコンテナ船が中東湾岸に閉じ込められ、62隻がホルムズ海峡外で待機しているとのことです。ONEのコンテナ船もイランの攻撃を受けたようです。
3月9日、殺害されたハメネイ師の後継者に次男の反米保守強硬派、モジタバ・ハメネイ師、56歳が選ばれました。これによりイランは更に強硬姿勢に傾く可能性が出ています。同日、米原油先物価格は、一時、1バレル119ドルの高値を付けた後、1バレル81.19ドルと40ドル下げ、最終的に、1バレル94.77ドルで取引を終えました。約3年半ぶりの高値となりました。
イランはホルムズ海峡に機雷を敷設し、封鎖の長期化を図っています。トランプ米大統領に打撃を与え、湾岸諸国の石油に依存している国の経済負担増加及び湾岸諸国の石油減産で大きなダメージを与えることを狙っています。中東紛争の激化、長期化懸念が原油価格の急騰を招き、世界景気に影を落すことになります。
船会社は中近東サービスのブッキングの受付を停止しました。また、イエメンの反政府武装組織フーシ派が紅海の攻撃再開を宣言したため、2月からインド・中東―地中海航路をスエズ運河経由に順次切り替えていたGemini CooperationのMaerskとHapag-Lloydは、再度、喜望峰経由への変更を余儀なくされました。3月2日付でCMA-CGMはペルシャ湾、紅海、一部東アフリカ港向けの貨物に緊急紛争割増金(ECS)を適用し、Hapag-Lloydは戦争リスクサーチャージ(WRS)を徴収します。
輸入減は一時的?不変のサプライチェーンが示す勝機
3月9日、全米小売業協会(NRF)とハケット・アソシエイツは米国主要港における小売り関連貨物の輸入の実績と最新の予想を公表しました。2026年1月の小売り輸入実績は前年同月比6.4%減の208万TEU、2月は1.3%減の201万TEUを見込み、3月は11.2%減の191万TEU、4月は8.1%減の203万TEU、5月は7.0%増の209万TEU、 6月は6.8%増の210万TEU、7月は8.0%減の220万TEUと予想しています。但し、米関税問題、イラン紛争の長期化による原油・ガソリン価格上昇による米国消費者の支出圧迫、製造業のコスト増加がコンテナ輸入量の減少する可能性が在ると予想しています。
日本海事センターがまとめたアジア18カ国・地域―北米間のコンテナ荷動きとアジア16カ国・地域―欧州間のコンテナ荷動きの2024年統計を見ると下記の物量が動いています
| アジア/北米往航 | アジア/北米復航 | アジアー欧州往航 | アジアー欧州復航 | |
| 2024年 | 21,650,687 TEU | 5,762, 717 TEU | 18,181,297 TEU | 6,325,288 TEU |
上記物量が年間アジア/北米、アジア/欧州間を移動しています。これは既にサプライチェーンとして確立された物流であり、どんな状況でも、これに近い数字がアジアと北米、欧州間で動いています。例えば、COVID-19コロナ禍による都市閉鎖で、一時的に動きが止まるとしても、最低必要限度の物流は止めることができません。あるいは“巣ごもり需要”、“リベンジ需要”として、北米で顕著に見られた反動需要で、物流は更に大きなうねりとなる可能性もあります。世界の物流が止まるということはありません。船会社初め関係者はその準備をしておく必要があります。
HapagによるZIM買収とONEトップ交代。海運再編の荒波を越える経営の鍵

2月16日、Hapag LloydがZIMを買収すると発表しました。これでHapag Lloydの運航コンテナ船隊規模は400隻を上回り、300万TEUを超え、年間輸送能力は1800万TEU以上となり、世界5位のコンテナ船社となります。4位のCOSCOの359万TEUに迫り、211万TEU、6位のONEを大きく引き離します。一方、イスラエル政府が保有する黄金株は、イスラエルの国家安全保障上の懸念に対応するため、イスラエルの民間ファンド会社FIMI Opportunity Fundsが継承し、イスラエル船籍、船腹16隻の”New ZIM“を設立し、イスラエル発着の定期輸送を継続します。また、Hapag-Lloydは”New ZIM“に対する営業支援や、Maerskとのネットワーク、Gemini Cooperationへのアクセスを許可します。
2月25日、Ocean Network Express(ONE)は、7月1日付で次期CEOとしてティル・オレ・バレレット(Till Ole Barrelet)氏が就任する人事を発表しました。海運大手3社(NYK、MOL、K Line)のコンテナ船事業統合会社ONEは、2017年7月、ジェレミー・ニクソン氏をCEOとして発足しました。当時、邦船3社の定航部門は異なるコンソーシアムに所属し、激しい運賃競争でかなり疲弊していました。稼ぎ頭である自動車船、不定期船、タンカー等に比べ、各社の定航部門は利益を生まないお荷物と言われていました。2016年8月、韓国船社・韓進海運の倒産、更に、欧州航路のコンテナ船大型化により、各社とも単独での部門経営が難しくなり、邦船3社は面子を捨て、コンテナ船事業を統合しONE設立に至りました。これは大きな決断であったと言えます。そうでなければ今頃、日本の定期船社は残っていなかったかもしれません。
ONEは、発足1年目はシステムの不具合で赤字を出しましたが、本社をシンガポールに置いたのが功を奏したのか、ジェレミー・ニクソンCEOの下、順調にスケールメリットを享受し、2020年に始まったコロナ禍後の奇跡的な高運賃と言う幸運もあり、邦船3社の親会社に数兆円規模の利益をもたらし、立派に親孝行をしました。昨年後半から運賃下落傾向にありましたが、イスラエルとトランプ米大統領のイラン攻撃でホルムズ海峡が封鎖され、運賃が上昇基調に変わりました。その中でのONE CEO交代となります。
2019年10月に開催されたYokohama Maritime Forumで、ニクソン氏に初めてお会いすることができました。その気さくな人柄にニクソン氏のファンになりました。彼の人柄と高い経営手腕に感謝!
最新コンテナ運賃指標~ホルムズ海峡緊迫で物流コスト増は不可避か
Drewryが3月5日に最新コンテナ船運賃指標を発表しました。
| コンテナ船運賃指標(WCI) 2026年3月5日 ※Drewryより参照 | |||
| 航路名 | 運賃(ドル/FEU) | 前週比 | 前年比 |
| 総合指数 | 1,958 | 3% | -23% |
| 上海/ロッテルダム | 2,052 | -2% | -22% |
| 上海/ロサンゼルス | 2,402 | 10% | -24% |
| 上海/ニューヨーク | 2,977 | 7% | -31% |
Drewry世界コンテナ指数(WCI)の総合指数は前週比3%増、$1958 per FEUです。東西基幹航路の欠便率が維持されていますので、Drewryはスポットレートが今後数週間で更に上昇すると予想しています。世界の石油供給の約20%を占めるホルムズ海峡を通るタンカーの移動が事実上凍結され、原油価格が上昇しています。この状況が続くと、バンカー燃料の価格上昇、戦争リスクの高いプレミアム保険料、運航の混乱が全体の貨物コストを押し上げ、コンテナ輸送運賃に上昇圧力をかける可能性があると指摘しています。
2026年2月の新造コンテナ情報~生産66%減も製造枠は5月まで完売
2月の新造コンテナ価格も$1,550 per 20fでした。床材の値上がり、鋼材は先月と殆ど変わりませんでした。相対的に材料の値上がり傾向にありますが、1月と同じ価格が維持されました。新造コンテナ製造本数は、191,782 TEU(Dry: 169,797 TEU, Reefer: 21,985 TEU)でした。先月と比較すると、生産総数 -375,385 TEU(Dry: -353,050 TEU, Reefer: -22,335 TEU)、生産比率 -66% (Dry: -68%, Reefer: -50%)でした。DryもReeferも50~70%近くの減産となりました。その原因は中国旧正月で各コンテナ工場が1ヶ月近く生産ラインを止めたためです。残念ながら、今年は旧正月前のカーゴラッシュは見られませんでした。
2月末新造コンテナ工場在庫総数は、1,473,099 TEU(Dry: 1,426,314 TEU, Reefer: 46,785 TEU)でした。2月との比較は、在庫総数 -143,569 TEU(Dry: -129,190 TEU, Reefer: -14,379 TEU)です。比率では、総数-9%(Dry: -8%, Reefer; -24%)となりました。1月の工場出荷総数は、335,351 TEU(Dry: 298,987 TEU, Reefer: 36,364 TEU)でした。2月末時点のコンテナ工場稼働率は30%と言われていますが、現在は5月までの工場の生産ラインは埋まっていると言われています。
石油放出の即断即決!高市首相が日米会談で示す日本の底力

高市早苗首相が3月19日に渡米し、トランプ大統領と会見します。
唐突ですが、ここで、日本人について少しお話したいと思います。平等を重んじます。相手の人権を認めています。昔から和を尊びます。決めたことは守ります。一つのものに秀でている人を敬います。人の話を真面目に聞きます。男は仕事、女は家庭の役割に責任を持ちます。女性は控えめですが、家庭の要です。男性は女性の手の中で踊らされています。
高市首相は故安倍首相と同じで、相手を尊敬し、必要とするならば相手を引き立てます。また自己のしっかりした人でぶれません。高市首相は11日、国際エネルギー機関(IEA)の決定を待たず、日本は単独で、石油備蓄を放出することを決定し、16日から実施すると発表しました。ガソリン価格を抑えることで国民の不安を払拭する狙いがあります。即断即決!多分、トランプ米大統領は高市首相の早い決断力、日本女性を代表する心の強さと深い寛容な人柄に驚くと思います。高市早苗氏が、日本女性で初めて、日本政治のTopに選ばれたれた理由があります。
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、“国民の感情に巧みに訴える為政者の顔と、国際社会の信頼を得る良識ある政治家としての顔を使い分けている”言われています。その上、彼女は魅力的な人柄です。高市首相も彼女に引けを取らないセンスと人柄が有ります。トランプ米大統領との会談は実り多いものになると確信します。世界平和に大いに貢献すると会談になると期待しています。
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