- ホーム
- コンテナ市況レポート
- 【市況レポート】「巨大連合に挑むONEの挑戦。」「COSCO、タンクコンテナ所有で営業拡大?」他~2026年4月
【市況レポート】「巨大連合に挑むONEの挑戦。」「COSCO、タンクコンテナ所有で営業拡大?」他~2026年4月
目次
人類最遠地点への挑戦と中東の停戦。交差する希望とリスク

4月1日(水)午後、米航空宇宙局(NASA)は、月を周回する乗組員4名の有人宇宙船“オリオン”を打ち上げました。飛行2日目に月を周回する軌道に入り、6日(月)午後7時頃、月の裏側に到達し、人類最遠地点の記録、地球から40万6771Kmに達しました。10日間のミッションを終え、4月10日(金)夜に米カリフォルニア州沖合に帰還予定です。米国の無限に広がる宇宙への冒険は全世界の人々にロマンと夢を与えてくれています。
一方、ホルムズ海峡封鎖で必死に抵抗しているイランとイスラエル・米国との戦争の厳しい現実に目を向けさせられます。しかし米東部時間4月7日に、お互いに内容に少し違いがありますが、“2週間の停戦合意”がされたことで安堵しています。両国の話し合いにより紛争が友好的に解決されることを切に望みたいと思います。
世界を動かす海運の試練と生存戦略:荷主に選ばれる「日本品質」の強み
現在、海上輸送は世界の貨物輸送の重量ベースで約80~90%を占めています。 1960年代以降、コンテナリゼーションによる輸送革命が世界の経済発展にもたらした貢献度は計り知れないものがあります。
世界のサプライチェーンは、コロナウイルス禍、スエズ運河通航不可、渇水でパナマ運河通航難、米国西岸ストライキ、今回のホルムズ海峡閉鎖、等々で多大の影響を受けます。コンテナ船社もまたサプライチェーンの大きな役割を請け負っているため、深刻な負担増を強いられます。多くのシワ寄せが船会社に掛かっています。コンテナ船とコンテナの稼働が大きな制約を受けるからです。船会社は荷物を安全に目的地まで運んでいます。どんな悪天候であろうとも、港湾労働者のストライキ、港湾機器のトラブル、船のエンジントラブル、港湾での滞船、船舶事故も何とか乗り越えて船舶の安全運航に努めています。これは大きなコスト負担となります。
コンテナ船社は世界物流の急速な拡大に伴い、荷主のために、物流の迅速化、効率化、経済性、安全性を追求し、最適なサプライチェーンネットワークを提供するために、M&Aによる規模拡大で生き残りを図ってきました。コンテナ船社の歴史はM&Aの歴史と言っても言い過ぎではないかもしれません。勿論、船型大型化でスケールメリットを追求しでコスト低減を図り、世界的なサプライチェーン支えてきたメインプレイヤーの一人です。適切なAlliance Memberと組み、より良いサービスの提供を図っています。今日の世界的なサプライチェーンの成功はコンテナ船社の大いなる努力を抜きにして語ることはできません。
一方、コンテナ船社は、激しい競争にさらされ、その競争についていけないコンテナ船社は容赦なく脱落せざるを得ませんでした。我が国の海運会社も例外ではありません、1960年代の邦船大手6社体制(NYK, MOL, K Line, Japan Line, YS Line, Showa Line)が、2000代初めには大手3社(NYK, MOL, K Line)となり、2017年、その3社の定航部門が合併し、Ocean Network Express(ONE)となり、活動拠点をシンガポールに置き、現在に至っています。しかしその規模は他の競争相手と比較して7番目と伸び悩んでいます。
1907年の明治時代の日本の船腹量は約107万総トンで、世界の約3%のシェアを占め、世界第6位の海運国でした。日本独自のサービスを構築し世界の荷主に喜んで積んでもらえる船会社になってもらいたいと願っています。やればできる!やってやりぬいて!やりぬいてもらいたいと思っています。
巨大連合に挑むONEの挑戦。小規模を強みに変える「使いやすさ」という最適解
現在は、主要コンテナ船社9社(HapagによるZim買収後)です。
その規模を比較してみます。(Alphaliner参照)
| 順位 | 船社名 | 現状規模(TEU) | 注文中(TEU) | 合計規模(TEU) | 比率 |
|---|

上記9社で、下記、4つのAllianceを構成しています。
| 順位 | アライアンス名 / 構成船会社 | 合計Fleet数(TEU) |
|---|
ONEには、No. 4 Premier Allianceという小粒ながら規模に負けないサービスを荷主に提供し、”ONEは使いやすい”と言わせてもらいたいと願ってやみません。
中東情勢が直撃!主要港の燃料不足で短期運賃は上昇へ
Drewryが4月2日に最新コンテナ 船運賃指標を発表しました。
| コンテナ船運賃指標(WCI) 2026年4月2日 ※Drewryより参照 | |||
| 航路名 | 運賃(ドル/FEU) | 前週比 | 前年比 |
| 総合指数 | 2,287 | 0% | 4% |
| 上海/ロッテルダム | 2,543 | 0% | 10% |
| 上海/ロサンゼルス | 2,663 | -1% | -2% |
| 上海/ニューヨーク | 3,434 | 1% | -12% |
総合指数は5週連続の上昇となりました。
上海発ロサンゼルス向けで前週比、前年比でマイナスとなりました。
中東情勢の影響で、アジアでシンガポール、中国等の主要ハブ港で船舶用の燃料が逼迫しているようです。
Drewryはコンテナ船社が緊急燃料油サーチャージを導入するため、今後数週間で短期運賃が上昇すると予想しています。
中小荷主の救世主?ONEのカード決済導入で資金繰りと事務負担を激減
ONEが世界のクレジット会社、VISAカードと提携し、国内に限りカードB2Bカード決済サービスを開始すると4月7日に発表しました。1回の限度額を150万円とし、中小荷主向けにオンライン支払のカード決済を導入しました。それにより中小企業が抱えている資金繰りや、請求・精算の負担を軽減し、売り上げ回収までの時間と手間を省くことができ、為替変動や金利環境の変化の資金管理負担の軽減に寄与します。またONE社内の業務改革に直結し、カード決済と会計システムの連携により、手作業による照合作業が大幅に削減できます。未回収・遅延リスクが低減し、資金回収サイクルの安定化にも貢献するとしています。日本市場での実装を起点とし、将来海外展開も視野に入れています。
これもONE独自のサービスの一環で、これからも、もっとユニークなサービスを提供してもらいたいと期待しています。
物流危機を救うタンクコンテナ、COSCO所有で営業拡大?

国際タンクコンテナ機構(ITCO)によると、2025年の新規製造本数は2万8521本で、2011年以来の3万本割れとなりました。2026年1月1日現在の世界タンクコンテナの稼働本数は89万9044本で、前年同期比、1.93%増加。ほとんどが高齢化したタンクコンテナの代替需要でした。世界のタンクコンテナは、液体貨物(主にケミカル)、液化ガス輸送に使用され増加しています。タンクコンテナを所有する会社は、自ら保有し運用(輸送)するオペレーターとリース会社とに分けられます。主要プレーヤ―を紹介します。
| 順位 | 会社名 | 運用本数 |
|---|
| 順位 | 会社名 | 運用本数 |
|---|
日本でも運転手不足のため、タンクローリーからタンクコンテナへの乗り換え需要が見込まれています。また、タンクコンテナの利便性、可動性、低コスト、安全性から、生乳、お酒、お水等の輸送のみならず、貯蔵、備蓄用の需要が高まっています。
COSCO、船会社が初めてタンクコンテナ所有
船会社、COSCOが、世界で初めてタンクコンテナを所有し、液体バルク貨物輸送サービスを提供します。COSCOは、元々、ドイツのVTG Tanktainer GmbHと合弁会社を設立していましたが、VTGがタンクコンテナ輸送・物流事業から撤退、COSCOがVTG本体から50%の株を取得し、合弁会社を完全子会社化したことによります。
2026年3月の新造コンテナ情報~船会社が動き出した「コンテナ争奪戦」
3月の新造コンテナ価格は$1700 per 20fで前月比約10%値上がりとなりました。床材を除く全ての原材料の値上がりが原因です。新造コンテナ製造本数は、484,608 TEU (Dry: 439,626 TEU, Reefer: 44,982 TEU)でした。先月と比較すると、生産本数は292,826 TEU増(Dry: 269,829 TEU, Reefer: 22,997 TEU)、DRYとReeferがそれぞれ増加し、比率でみても、生産総数153%増(Dry: 159%増, Reefer: 105%増)となりました。これは、イスラエル・米国とイランとの戦争によるホルムズ海峡封鎖の長期化に伴い、ペルシャ湾岸各国のコンテナターミナルに置かれているコンテナ及びホルムズ海峡内外で待機している船上のコンテナがしばらく不稼働になる可能性があるため、コンテナ船社の追加発注、或いは、コンテナ・リース会社の、コンテナ不足による大幅なコンテナ価格の値上がりを見越しての、投機的発注の可能性があります。
3月末新造コンテナ工場在庫総数は、1,464,705 TEU(Dry: 1,411,907 TEU, Reefer: 52,798 TEU)でした。2月との比較は、在庫総数―8,394 TEU(Dry: ―14,407 TEU, Reefer: +6,013 TEU)です。比率では、総数―1%(Dry: ―1%、Reefer: +13%)となりました。
3月の工場出荷本数は、493,002 TEU(Dry: 454,033 TEU, Reefer: 38,969 TEU)となり、3月のDryは2月の1.5倍以上出荷されました。これはある程度船会社がコンテナ不足を予想して、発注済みの自社コンテナを取り込んだと考えられます。
関連記事